エアリアルエイリアン #弐 ページ20
あの後、特に不穏なことは起こってない。私にも、雅紀にも、二宮サンにも。みんな息災。
誰も事故に遭ったり病気になったりしてないし、"黒い影"の実態は不明なままだ。
(何だったのかなぁ、あれは。)
顔も年齢も性別も分からない、ただひたすら"黒"というイメージの占い師の残像は、その無特徴ゆえに記憶の中では靄のように『ただ黒っぽい何か』と『水晶玉』のイメージとしてしか残っていない。
むしろあの人が“黒い影”なのではないかっていう。
何だろ…オカルト系な出来事だったのかな。世にも奇妙な的な。
生憎私は霊とかそういうのは特に怖くなく、どちらかと言うと分析してみたい欲が湧いてしまう。
幻覚、とか────3人揃いも揃って同じもの見てるから、ナイな。
集団催眠か何か、とか────私たち3人だけは規模としてショボい。他では聞かなかったし。
実は隠れてTVカメラでも回ってたとか、ドッキリみたいなやつとか────もしそうなら、とりあえず肖像権侵害を申し立てなきゃな。
記憶を何回も再生しながらブツブツと考える。
考えながら歩いていて、校舎の角を曲がった時だった。
「ぎゃ！」
何かにぶつかった。しかも割と思いっきり。
私は痛さのあまり、ぶつけたおでこを押えてしゃがみ込んだ。
「いってぇー！……あ、ゴメン、大丈夫？！」
うずくまりながら声の方を見ると、相手は顎を痛そうに押さえてる。
「いえ…こちらこそスミマセンでした…」
お互いぶつけたところを押えながら頭を下げ合う。何これ、コント？
額を押えながら相手を眺める。
出会い頭に衝突したその人は、男性としては結構背が低いようだ。
私が下向いて歩いてたから額と顎の衝突で済んだものの…もう少しで出会い頭KISSになるとこだったわ。あと一歩で乙女の危機だったよ……ん？19歳はまだ乙女の範疇？
「あの、キミ……おでこ大丈夫？」
その人は屈んで、ぶつかった時に私の手から滑り落ちた本を拾い、
「ハイ、コレ。ごめんね？」
手渡してくれた。
本を受け取った瞬間、頭の中で小さな火花が散ったような感覚。
……打ちどころがちょっと悪かったかな？(汗)
「───ドウモ。」
ヒョコと頭を下げる私にその人は右手を軽く上げて、そのまま建物の奥へと歩いて行った。
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羊羽(プロフ) - のりさん» のりさんお久しぶりです！物理理論をそれらしく書いてるせいで誤解を生みましたか？マジでよく分からないままそれらしく書いてるだけですから（笑）この段階でﾄﾞｷﾄﾞｷしてもらえてるの心底嬉しいです。徐々に全貌見えるはずですので今後もﾖﾛｼｸﾃﾞｽ。 (2021年5月7日 11時) (
レス) id: 62b440dca8 (このIDを非表示/違反報告)
のり(プロフ) - お久しぶりです。羊羽さんてめちゃくちゃ頭良い方(勉強もだけどクレバーという面でも)なんだろうなぁとずっと思ってましたが…お話ドキドキが止まりません。続き楽しみにしてます♪ (2021年5月6日 20時) (レス) id: 18c83a81d5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：羊羽
| 作成日時：2020年6月24日 9時
