二人の記念日【You】☆12月24日 金曜日 昼�� ページ11
「あれ、そんな指輪してたっけ？」
お昼ごはんを食べてると、同僚のアスカがふいに言った。
「ん？前から持ってたよ。しばらく付けてなかったけど。」
そう言いながら、右手の薬指にある丸い輪っかを左手で隠すようにそっと撫でた。
その感触を確かめながら、昨日のことを思い出す。
・
・
昨日、帰宅してエントランスのポストを開けると、宅配便の不在票が入っていた。
(何か通販、注文してたっけ？)
宛名を見ると、『AA様』。
私だ。
差出人を見ると、『AA様』。
(んん？！)
腕時計を見る。20時前。
急いで家へ戻って買ったお刺身を冷蔵庫に突っ込むと、車のキーを掴んで家を飛び出す。
車に乗り込み、一番近い宅急便の事業所へと車を走らせる。
「すみません、宅急便の受け取りに来ました。」
「はい、不在票お持ちですか？」
「これです。」
妙に胸がザワザワするのを押えながら、荷物を持ってきてくれるのを待つ。
「―――――お待たせしました。こちらに受け取りのサインをお願いいたします。」
「はい。」
早く受け取ってしまいたくて、乱雑な字でサインする。
「ありがとうございました！」
言い終わる頃には完全にドアが閉まっていたくらい急いで外へ飛び出して、車に戻る。
運転席に座って、一息ついてからその荷物を眺める。
宛名も、差出人も、やっぱり私の名前だった。
心当たりのない荷物の送付状をひたと見つめる。
(でも、この字は・・・・・・)
そんな見慣れた字ではないけど。
だけど、よく知ってる字。
これは、翔くんの字だ。
胸がサワサワと湧き立つ。
期待と。
驚きと。
焦燥と。
それらがゴチャゴチャと混ざりながら、『早く開けろ！』とせかす。
私は、エンジンをかけて暖房をつけることすら忘れて、その小さな荷物を開けた。
二人の記念日【You】☆回想→←二人の記念日【You】☆12月23日 木曜日 19時前��
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 314人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「嵐」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
羊羽(プロフ) - ハルヒさん» 快く掲載許可してくれてあざます！あのお話が無ければその後の4つの話も無かったワケだから、すごい威力持ってたね、あの『その後譚』！ハルヒちゃんが「好き好き」って言ってくれるから私もこの話好き（笑）また一緒に書きましょー☆ (2015年12月14日 13時) (
レス) id: 9e1708fadb (このIDを非表示/違反報告)
ハルヒ(プロフ) - らんまるさん» らんまるさん。ありがとうございます。羊羽ちゃんの甘い甘いお話についつい送りつけてしまった次第です(^^)これからも羊羽ちゃんの世界に一緒に浸りましょーね(^^) (2015年12月13日 0時) (レス) id: 3f0f285a0f (このIDを非表示/違反報告)
ハルヒ(プロフ) - きゅんきゅんが止まらなかったから返品不可で送りつけた走り書きが（笑）またさらなる胸熱につながるなんて幸せ〜(^^) 久しぶりに何か一緒に書きたくなるやん（笑）お題投げようかしらねー(⌒▽⌒)掲載ありがとねm(_ _)m (2015年12月13日 0時) (レス) id: 3f0f285a0f (このIDを非表示/違反報告)
羊羽(プロフ) - きちさん» Jだけは書いても書いてもそれがJっぽいのかどうか分かんなくって、きちちゃんに「うん！潤くんだよコレ！」って言ってもらってようやく一安心する（笑）ありがとう、先生。今回も楽しんでもらえたようで満足満足☆ (2015年12月12日 13時) (レス) id: 9e1708fadb (このIDを非表示/違反報告)
きち - →続き めちゃくちゃ嬉しそうな潤くんが、もー、めっちゃ潤くんらしくて（笑）ぐうの音も出ないとこまで追い込んで、さぞかし満足だろうな~♪（笑）満足気な潤くんが見えるようで、私も満足です♪かわいい潤くんをありがとう！！ (2015年12月11日 23時) (レス) id: a1b11a3439 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：羊羽
| 作成日時：2015年12月1日 20時
