弥生町ロンリープラネット *14 ページ27
「・・・・・うん、今さっき。」
「マジかー。」
Aサンは、店の前で空を見上げていた顔をこちらに向けながら言った。
「店に連絡入れとけば、もう少し延長してくれてたかもなのに(苦笑)」
「あー・・そこまで頭が回んなかったなー。」
「歩いて来たの？」
街灯に照らされてる大野くんの鼻先は、寒さで少し赤くなってる。
「うん。下の大通りまではマネージャーに送ってもらったんだけど、ここ道狭いし・・・」
「まだ今なら言えば、店開けてくれたりするんじゃない？」
「いや、タカオはそういうサービスはしてくんない。あいつはそーいうヤツだ(苦笑)」
「そーかも(笑)」
Aサンが笑う。
「せっかく来たのに徒労だったね。オツカレサマ。」
「ホントだわ(苦笑)・・・・帰るとこ？Aサン。」
「・・・・・うん。」
「さっき、何してたの？」
「え？」
「空、見上げてたから。」
さっきのAサンの姿を思い出す。
背筋を伸ばして、真上を見上げる姿。
「なんか、そのまま空に浮いていきそうな感じだった。」
Aサンはその瞬間、何故か息を呑んだ。
え、何。
何でそんな驚くわけ？
「え？まさか・・・」
「・・・・え？何？『まさか』って。」
「まさかAサン、宇宙人とか・・・・？」
Aサンは、今度は目をまんまるにして見開いて。
それから
「ぶはっ！」
大笑いし出した。
「―――――宇宙人って・・・、そんなことあるわけないでしょ？！どこからそーいうの出てくるわけ！(笑)」
「いやだって、すっげ真剣な顔して驚くから・・・まさかと思ったよ！思ったけど！」
「(笑)！！」
Aサンは夜中の道の真ん中でお腹抱えて笑う。
だってさ。
本当に今にも夜空に浮いて飛んでっちゃうんじゃないかと思ったんだ。あの姿見てたら。
オレは無意識のうちにAサンの右手を掴んでた。
「・・・・・・え。」
Aサンは静かに、でもものすごく驚いた顔でオレを見た。
オレは口を開けたところで、止まった。
言いたいような。
でも言いたくないような。やっぱり言いたいような。
伝えたいような。
でもまだもう少し、黙っていたいような。
*
弥生町ロンリープラネット *15→←弥生町ロンリープラネット *13
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 148人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「嵐」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
羊羽(プロフ) - のりさん» のりさんお久しぶりです！何だかハッキリしない話だけど…（苦笑）それでも癒しになってるならありがたき幸せ☆ﾊﾟｯｷﾝね、全部のﾊﾟｯｷﾝ付け忘れてて大惨事でした（笑） (2020年10月29日 6時) (
レス) id: 9e1708fadb (このIDを非表示/違反報告)
のり(プロフ) - お久しぶりです。あぁ…癒し。疲れた頭と体と心の癒し羊羽さんのお話(*´-`) 余談ですが私も昔水筒のﾊﾟｯｷﾝやらかし子に怒られました☆(今は自分の水筒やらかさないように細心の注意をしてます) (2020年10月28日 18時) (レス) id: 18c83a81d5 (このIDを非表示/違反報告)
羊羽(プロフ) - のりさん» あー、分かります！ちょっと苦しい想い抱えてたり切ない気持ち背負ってたりするの歌わせたらめちゃハマりますよね！オハナシ喜んでもらえて私も幸せ(^-^) (2019年11月26日 19時) (レス) id: 3809ede207 (このIDを非表示/違反報告)
のり(プロフ) - 私も智くんソロでこの曲が1番好きです。自担のラップあるからというのは否定しません。智くんの声とアンハッピーな曲というかちょっと苦しい思いをしてるのが合うと思ってるので今日のお話最高！！と喜んでますぅ♪ (2019年11月26日 17時) (レス) id: 18c83a81d5 (このIDを非表示/違反報告)
羊羽(プロフ) - keiさん» 全部！ｱﾘｶﾞﾄｳｺﾞｻﾞｲﾏｽ（^^）harmonized〜にｺﾒいただいてたからﾆﾉ担さんかと思ってましたが智担さんでしたか！一つ書きたいﾈﾀがあるんですけど、Oさんの。そのうち形にできればいいなぁ…私のﾊﾞｯﾃﾘｰが切れる前に（笑） (2019年11月25日 21時) (レス) id: 9e1708fadb (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：羊羽
| 作成日時：2015年10月29日 16時
