弥生町ロンリープラネット *13 ページ26
「あー、もうこんな時間か。」
タカオさんの声につられて時計を見ると、もう閉店時間間際だった。
「ほんとだ。」
私は立ち上がって、コートを手に取り帰り支度を始める。
「今日は智くん来なかったね。」
わざとなのか、知らずなのか、タカオさんはそう言いながら閉店準備を始めた。
「そうだね。・・・・代金、ここに置いておきまーす。」
「まいど。」
カウンターに代金を置いてドアに向かう。
「また明日もどうぞ(笑)」
タカオさんの声を聴きながら、ドアを閉めた。
外は真冬に戻ったのか？と思う寒さだった。
おかしいな。昨日までは「あ〜、春になってきたなぁ。」って思える暖かさだったのに。
「・・・・・さむ。」
ストールをグイッと鼻まで上げて、外気の侵入を阻止する。
だけどすぐまた顔を上に向けたもんだから、また鼻先はストールの外に出てしまった。鼻に冷気が当たる。
ビルに囲まれた東京平野と宇宙の隙間。視線の先には夜の宇宙が広がってる。
・・・・・私という星は今、どこを漂ってるんだろう。
真っ暗な夜空を見つめながら、自分の足元があまりに頼りない気がした。こんな気持ちになるのは、いろいろが全部不確実で不安定だからかな。
確かなものが何もない。
どうしたらいいのか分からない。どこに進めばいいんだろう。
でもそれは、自分の勇気の無さが原因であることだけは分かってる。
年齢とか。堅実性とか。それらを言い訳にして目を瞑ってる。望むものは今のままでは此処に無いこと、分かってるのに。
年齢を重ねることで下手に知恵だけ付いてしまったから、頭では分かってる次の一歩が踏み出す勇気が無い。
グラグラと足場が崩れそうな不安定さが襲ってくる。
足元にブラックホールがあるみたいだ。
それに吸い込まれないようにするために私は夜空を、上を見上げていた。重力に必死に逆らうかのように。
「―――――A、サン？」
名前が呼ばれた。この声。
ゆっくり坂の方に目を向けると。
「げ。もしかして店、もう閉まっちゃった？？？」
白い息を吐きながら大野くんが坂を上ってきてた。
*
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羊羽(プロフ) - のりさん» のりさんお久しぶりです！何だかハッキリしない話だけど…（苦笑）それでも癒しになってるならありがたき幸せ☆ﾊﾟｯｷﾝね、全部のﾊﾟｯｷﾝ付け忘れてて大惨事でした（笑） (2020年10月29日 6時) (
レス) id: 9e1708fadb (このIDを非表示/違反報告)
のり(プロフ) - お久しぶりです。あぁ…癒し。疲れた頭と体と心の癒し羊羽さんのお話(*´-`) 余談ですが私も昔水筒のﾊﾟｯｷﾝやらかし子に怒られました☆(今は自分の水筒やらかさないように細心の注意をしてます) (2020年10月28日 18時) (レス) id: 18c83a81d5 (このIDを非表示/違反報告)
羊羽(プロフ) - のりさん» あー、分かります！ちょっと苦しい想い抱えてたり切ない気持ち背負ってたりするの歌わせたらめちゃハマりますよね！オハナシ喜んでもらえて私も幸せ(^-^) (2019年11月26日 19時) (レス) id: 3809ede207 (このIDを非表示/違反報告)
のり(プロフ) - 私も智くんソロでこの曲が1番好きです。自担のラップあるからというのは否定しません。智くんの声とアンハッピーな曲というかちょっと苦しい思いをしてるのが合うと思ってるので今日のお話最高！！と喜んでますぅ♪ (2019年11月26日 17時) (レス) id: 18c83a81d5 (このIDを非表示/違反報告)
羊羽(プロフ) - keiさん» 全部！ｱﾘｶﾞﾄｳｺﾞｻﾞｲﾏｽ（^^）harmonized〜にｺﾒいただいてたからﾆﾉ担さんかと思ってましたが智担さんでしたか！一つ書きたいﾈﾀがあるんですけど、Oさんの。そのうち形にできればいいなぁ…私のﾊﾞｯﾃﾘｰが切れる前に（笑） (2019年11月25日 21時) (レス) id: 9e1708fadb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：羊羽
| 作成日時：2015年10月29日 16時
