黄色短編集 (ページ7)

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モノクロ（Ver.K.N)　　☆1 ページ7

黒い雲が千切れて左右に分かれていく。

隙間から月が覗く。

月から零れ落ちる光が窓を通り抜けて、二人の上に白く眩しく降る。

爪痕がぼんやりと浮かぶ

Aの目の奥を見つめながら、さっきのきっかけの光景を思い出す。

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皿の上に載っかっていたモノを、Aがパクッと食べた。

数秒後。

「・・・・・・辛っ！」

眉をひそめ、口元を手で覆い、顔をしかめた。

「え？何食ったの？」

「分かんない・・・ピーマンか何かかなと思って食べたら・・・・ぎゃー！後から来る！！辛い、これっ！！」

「何、何食った(笑)」

「何だろ？！これなんだけど！」

半分怒りながら、皿に残ってる物体を指差す。
もう片方の手は口を押えたまんま。
まだ顔しかめてるし(笑)

「ちょっと、ニノも食べてみてよ。」

「やだよ。顔しかめるよーなシロモノって分かってんのに、誰がわざわざ食うよ。」

「何か判別してみてってば。」

勝手にオレのフォークでそれを突き刺す。
フォークをオレに渡す。

仕方なく、小さく齧ってみる。

「・・・・・・何だ？これ。」

「ちょっと酸味もあるよね？」

「んー・・・・・分かんね。・・・・・・でも後から辛味が来るな。」

「来るよね。」

「一口でコレ行ったもんな(笑) そりゃ辛いでしょ。」

一口齧って皿に戻したそれを、Aがもう一度齧った。

止めときゃいいのに(苦笑)

咀嚼しながら味の正体を追い詰める表情。
眉間に皺、かなり寄ってますけど(笑)

「・・・・・・青唐辛子、とか？」

「あー、そんな感じ。」

「それを少しピクルスみたいにしたヤツをフリッターにしてる？」

「そんな感じ。(分かんねーけど笑)」