Love so sweet Ⅱ 【－ Ver.】 (ページ10)

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☆32　　　on a rainbow bridge ページ10

窓から眼下に満開の桜が見える。

さっきまで降ってた小雨は上がったらしく、春の陽射しが雨に濡れた景色に反射してキラキラ光る。

都内の某ホテル。
庭の桜が有名で。

上から眺めるそれらは桜色の雲のようで、ここが天上界かと惑わせる。

下界と隔てられた世界なら、誰にも見つからない。見つけられない。

日常の背負うものも、ここじゃ関係ない。

・・・・・・・・・・・なんてね。

別にそんなつもりでここを選んだワケじゃねーけど。
たまたま桜がキレイな所だから選んだだけだけど。

左手の腕時計を見る。

約束の時間まで、あと10分。

Aは来るだろうか。

連絡を取ろうとして一方的なメールを投げた。

届くかどうか分かんないまま、「ここで躊躇したらダメだろ。」ってメール打った勢いでそのまま送信した。

そしたら、ちゃんと届いた。

もうメアド変更しちゃってるかもな・・・・って覚悟してた連絡先は、変わってなかった。

あの時でキッパリと終わったから、と思ったからそのままだったんだろうか。

それとも。

本当はAもどこかで同じように思ってたんだろうか。
最後の一縷を切ってしまうことを躊躇ったんだろうか。

まだ訊いてないから何が正解か分からないけど、連絡先がそのままだという事実に後押しされた。

だって、オレからの連絡を遮断するつもりはなかったってことだもんな？

そう思っても穿ち過ぎじゃないよな？

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