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ある曇り空の日。
CMの撮影での早春の沖縄。
気温は本州よりずっと高いけど。
冬空ではないけれど。
なかなかパキッと晴れてくれず、撮影は押していた。
そんな中、もう少し雲が晴れるまで一時待機ってなって、現在しばし休憩中。
「翔ちゃん、ロケバス戻る？」
相葉くんに声をかけられる。
「んー・・・・ちょっとその辺散歩してくるわ。」
砂浜を歩きながら、横に広がる海を眺める。
海風が結構寒い。
・・・・・沖縄って、常夏じゃねーんだ(苦笑)
もうすぐ１年。
結局、他に好きな人とかは出来なかった。
ただ現れなかっただけか。
それとも、やっぱりAがいいからなのか。
自分でも判別つけかねてる。
自分の気持ちもあやふやな上に、１年近く会わずにいるAに会いに行ってもいいのか？っていう気持ちまで出てきてる。
今更Aの生活かき乱す必要あんのか？って。
もういっそ、このまま静かに幕を引いた方がいんじゃね？って。
「・・・・・智くん、何してんの？」
「あ、翔くん。別に何も？ボーッと海見てた(笑)」
相変わらずの柔らかい笑い顔で、智くんは砂浜にペタリと座って潮風に吹かれてる。
「横、座っても平気？」
「ん？あー、いいよ？座んな、座んな(笑)」
智くんの横に腰を下ろす。
二人でボケーッと、ただひたすら海を眺める。
波が打ち寄せる。引いて行く。
その繰り返し。
――――もし、また会っても。
結局先には進めないのかな。
オレの立場が変わるワケでもなく、Aの立場も変わるワケじゃない。
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作者名：羊羽
| 作成日時：2015年5月7日 0時
