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☆34 ページ12
Aはゆっくり近付いて、オレの前に立った。
両手を取る。
その手を握る。
相変わらず、冷たい指先だな(苦笑)
「――――オレさ、勝手に決めてたんだよね。」
「・・・・・？」
「１年前別れた時に。」
「・・・・・。」
「ここから１年、普通に生活して。それでもやっぱりAのこと好きだと思ってたら、連絡しようって。」
「・・・・・。」
「・・・・・正直、途中で分かんなくなったりもしたんだけど(苦笑) どうしてもAじゃないとダメなのか、それともそうじゃないのか。」
「・・・・・。」
ちゃんと聞いとけよ？
何回も言わないからな(笑)
「オレ、やっぱりAがいいよ。」
オレの手の中のAの手が、震えた。
腕をグッと引っ張って、Aの体ごと受け止める。
動きと一緒に浮き上がる、いつものAの香水の香り。
ああ、Aだ。
そのままベッドに押し倒す。
仰向けに横たわったAの目が、少しうるんでる。
上からその目を覗きながら、髪を撫でる。
久々の感触に胸が締め付けられる。
「・・・・・願わくば、なんだけど、」
１年ぶりに触れるAの全てが、１年ぶりだなんて思えないほどしっくりきてることにに驚きながら告げる。
「Aが、オレにとって最後のヒトであってほしい。」
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作者名：羊羽
| 作成日時：2015年5月7日 0時
