☆24 ページ2
「――――眠れない？」
横で小さく何度も寝返りを打つAを、自分の方へと抱き寄せた。
「あ、ごめん・・・・・起こしちゃった？」
「いや、起きてたから・・・・どうかした？」
「ん？ううん。何でもないよ。」
「・・・・・・・ちゃんと来てよかったな。」
「うん。そうだね・・・・・・・・でも・・・・・」
「うん？」
「今この状態だから言えるんだろうけど・・・・・・」
「・・・・ん？」
「・・・・・・・・残念な気持ちもある(苦笑)」
Aは夜に包まれた天井を眺めながら、そう言った。
「・・・・・え？」
思わず、訊き返す。
Aはこっちに向き直って、苦笑いみたいな顔して。
「現実問題としては、とんでもないことだって分かってるんだけどね？対処しきれないの分かってるんだけどね？だけど・・・・・・」
小さな
「翔くんの子供、出来てもいいかなって・・・・・・思ってた自分がいたんだよね(苦笑)」
「・・・・・・・・マジで？」
「・・・・・うん。
来た時、『ああ、よかった・・・・・』って気持ちと、『ああ、違ったんだ・・・・・』って気持ちが、同じくらいだった。」
オレの髪にAの指がそっと触れる。
「でも、これが一番いい結果だから――――ごめんね、余計な心配させて。翔くんに迷惑かかんなくて、本当によかった。」
そう言って微笑んだAを。
抱き寄せる。
抱きしめる。
「――――オレもね、」
Aの髪に顔を埋めて、呟く。
「ちょっと残念だった。実は。」
ふふっと笑った息が、首筋にかかった。
コレは本心だから。
妊娠したんじゃないかって不安にオレよりもずっと心を痛めてたであろう、それでも妊娠してなかったことを残念に思ってくれたAに、どうか伝わってほしい、と願いながら。
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作者名：羊羽
| 作成日時：2015年5月7日 0時
