#32 ページ32
「知らね。無理なもんは無理だし。」
「・・・・・・。」
「なに、その顔。」
「いや、別に。手くらい繋いでほしいだろーなぁカノジョ、って思って。」
翔ちゃんは何も言わずに、ちょっと下唇を尖らせた。
店に入って、席に着く。
メニュー見て、翔ちゃんがサクサクと注文する。
こういう係は必ず翔ちゃん。ものすごく手際がいい。
「A、カレシとその後どーよ。」
雅紀はいつも前振りなしに、唐突に会話のハンドルを変な方に切る。今の如く。
「別れた。」
「え？別れたの？あのカレシと？」
『あの』と言っても、別に雅紀は元カレと直接会ったことがあるわけじゃない。
私が前に話してた流れだけで話してる。
「結構長くなかった？」
「うん、まあ。３年弱くらいかな・・・」
「３年て大概じゃん。大学の時からっしょ？このまま結婚すんのかなと思ったわ。」
私も漠然と、何となく、それもあるのかなって思ってたけど。
「何があったわけ？」
「・・・・・雅紀、いくら幼馴染みとはいえおまえ、それ突っ込んで聞きすぎだろ。」
翔ちゃんが割って入った。
翔ちゃんはいつも、こういう風に気を回す。
「いや、別にいいけどね。ケンカ別れしたとか、そーいうんじゃないし。」
「浮気とかでもなく？」
「雅紀。」
いよいよ翔ちゃんが怒った顔しだした。
「いーよいーよ、翔ちゃん(苦笑) 浮気でもないよ。そういう意味では特に何もないよ。」
「なんもないのに別れたわけ？」
「───うん。」
「ふーん。でも、この辺の年齢で別れると、次って難しくね？」
「おい、雅紀！」
「大丈夫だよ、翔ちゃん(苦笑)」
「だって、普通にOLとかしてるなら次の機会もあるけど、Aの環境だよ？」
・・・・・ホントそれなー。
私の所属する研究室は私以外全員男だ。男性しかいない。
だがしかし。そこは工学部の大学院の研究室。
人としてちゃんと会話できる男子の方が少ない。
数式とは嬉々として会話してるのに、人との会話は至難らしい。
なので別れる時、自分でもそこはちょっと。
いや、結構考えたりもしないではないけど。
「・・・・・まぁ、なるようにしかなんないよ。そーいうのは(苦笑)」
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羊羽(プロフ) - らんまるさん» あれぇ？また？あの後すぐに投げたのになぁ。なんだろね、らんまるさんとこだけﾌﾞﾗｯｸﾎｰﾙある？ﾒｯｾｰｼﾞﾎﾞｯｸｽに（笑）お話の展開が期待ﾊｽﾞﾚにならないことを祈ります（^^;） (2019年12月14日 10時) (
レス) id: 9e1708fadb (このIDを非表示/違反報告)
羊羽(プロフ) - のりさん» 分かりますか！のりさんもｲﾛｲﾛ考えるﾀｲﾌﾟですね？もしや（笑）あー、もう全部開けて更新してしまいたいけど、まだ最終調整終わってないから我慢します。全部一気に開けたい衝動に駆られる… (2019年12月14日 10時) (レス) id: 9e1708fadb (このIDを非表示/違反報告)
らんまる(プロフ) - 羊羽ちゃん、メッセ来なかった(・・?)前もこういうのあったよね？まぁ、大人の階段云々は、この後のお話の展開に期待しますw(精神的に)大人になった翔ちゃんに再び堕ちちゃったか…うんうん、仕方ないっしょ！あんなハイスペ男だよ？もうとことん堕ちちゃえー！ (2019年12月14日 9時) (レス) id: 52aebad76a (このIDを非表示/違反報告)
のり(プロフ) - 主人公ちゃんの言ってることわーかーるー！百歩譲って関心ないの仕方ないとして、(私の周りだけかもだけど)大抵後から不平不満言うw苦笑いしかないwそして分かってくれる翔ちゃん好き｡:+((*´艸`))+:｡ 合図何がいいかしら♪ (2019年12月12日 15時) (レス) id: 18c83a81d5 (このIDを非表示/違反報告)
羊羽(プロフ) - のりさん» そこに喰い付かれたかw ｺﾐｭ能力に長けた理系もいるの知ってるけど、大半がね。女子と話す時目を合わせてこないような人が一定数いるから…wイイコたちなんだけど！すれ違ってる時に分かるように何か合図を考えましょか笑 (2019年12月12日 13時) (レス) id: 9e1708fadb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：羊羽
| 作成日時：2019年12月2日 15時
