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堂本先生は窓の方から私の方へと視線を移して。
「Aちゃん、生徒に『いいな〜。』って思う子、いるんだ(笑)」
堂本先生は、見た目おっとりに見えるのに(見た目だけじゃないか 笑)、意外と鋭い。
「ちがっ！たとえばの話！」
「3年？」
「だから、違うってば！(焦)」
「生徒会長の子あたり？」
「ちーがーうー！！！」
「ふふふふっ！(笑)」
引き出しから何か取り出して。
「ま、チョコでも食べて気を落ち着けて？Aちゃん(笑)」
「・・・・・いただきます。」
チョコをいただく。
「いるよ、私も。」
「―――え？」
「『いいな〜。』って思う子だったら。」
ゴックン！
とチョコはほとんど原型のまま飲み込まれた。
「そーだよね。思うよね、普通に(笑)」
「まぁ、だからどうってわけじゃないけどね(笑)」
「別にだからといって依怙贔屓するわけじゃないけどね(苦笑)」
「女子にだって『この子かわいいなぁ。』って思う子いるしね。」
「そうそうそう。」
――――でも、私のはもう、明らかにそこの域越えちゃた・・・・・。
いまだに気持ちがどっしり定まらず、どこかで「いいのかなぁ、こんなことしてて。」って思ってる自分がいて。
往生際悪いっていうか。
腹括れないっていうか。
今ならまだ戻れるよね、って思ったりして。
時計を見たら、あと5分で4限目終わり。
コーヒーを飲み干す。
「ごちそうさまー。さて、職員室に戻るとするか！」
「またいつでもどうぞ。」
差し出してくれた手に、カップを渡す。
立ち上がってドアの方に歩く私に、
「『いいな〜。』って子と進展があったら、また教えて？(笑)」
ドッキーン！！！！
・・・・・心臓止まるかと思った。
振り向いて。
「ないから。そんなマンガみたいなこと(笑)」
笑って誤魔化す。
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作者名：羊羽
| 作成日時：2015年3月20日 11時
