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相葉くんのとっておきの場所は、坂の上にあるプラネタリウム施設の裏側にあった。
裏側って言っても、施設内ではなくて、施設の塀の外。
よって、何にも舗装されてない。
剥き出しの、草が生い茂る丘の斜面。
「センセー。大丈夫？歩ける？」
「ここっ・・・・歩く場所じゃないんだけどっ！」
ぜーぜー言いながら相葉くんに付いて行く。
坂の途中から横手に入って、プラネタリウムの塀伝いにまだ傾斜を上る。
「もーすぐだよー。がんばって！」
「・・・・・スニーカーでよかった、ほんと・・・・・」
相葉くんに手を引いてもらって、最後の斜面を登ると。
「着いた！」
目の前が急に開けた。
眼下に街が広がる。
「いい眺めでしょー？！」
相葉くんが得意げな顔して笑う。
「うわ・・・・すごい景色。」
初夏の眩しい光が降り注いでて、街がキラキラ光ってる。
「でしょ？！」
嬉しそうに言う相葉くんも、キラキラしてて。
思わずみとれてしまった。
「あっちにね、塀から出っ張った大きな石があるから、そこに座って食べよーよ。」
2人並んで、街を見下ろしながらコロッケを食べた。
コロッケはちょっと冷めちゃったけど、さくさくしててとても美味しかった。
「あー、美味しかった〜。」
「ホント？！よかった。」
ニコニコ笑う相葉くん。
「いろいろ教えてくれて、ありがとうね。」
「いろいろ連れ回して、ごめんね？(笑)」
「(笑)」
気持ちのいい風が吹き渡る。
「ここ、気持ちいいね。」
「うん。」
相葉くんは、眩しそうな顔して前を見てる。
「小学校の頃から、ここはオレの秘密基地みたいなものなんだ〜。」
「誰も、こんなとこまでわざわざ来ようとしないよね。登るの大変だもん(苦笑)」
「だからかー。オレ以外の人間ここで見たことないの(笑)」
「相葉くん、小学生の頃から変わってないでしょ。」
「みんな、そー言う(笑)」
「そーだと思った(笑)」
「オレはそんなことないと思ってるけどさぁ。何でそう言われるんだろ？」
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作者名：羊羽
| 作成日時：2015年3月20日 11時
