アイコトバ Ⅰ (ページ1)

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01　　　Chapter 1 ページ1

ねぇ、先生？

先生の可愛い、ふわふわの笑顔も

先生との優しい、まんまるの時間も

全部全部、オレだけのものにしてもいい？

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「ぶえっくしゅ！」

・・・・・くしゃみが止まらない。

あー、もう！だからこの季節はキライ！
マスクしてても、隙間と言う隙間から花粉が潜り込んでくんの！

「・・・・・失礼しまーす・・・へっくし！」

数学科準備室のドアを鼻をすすりながら開けて、軽く頭を下げて中に入る。

で、頭を上げて部屋の中を見る。

・・・・・なんだ。

「小山先生、いないじゃん・・・・・」

準備室の中には女の先生が一人、PCに向かって座ってるだけだった。

オレの声が聞こえたらしく、

「小山先生に用？先生は男バレに顔出してくるって言ってたけど。」

その先生が、こっち見てそう言った。

・・・・見たことない先生だな～。見たとこ若いし、新任とか？

「何か質問だった？数学のことなら見てあげられるよ。」

突っ立ったままのオレにそう言った。

「あー・・・・じゃ、教えてもらってもいーですか？」

教科書開いて、その先生の机の上に置く。

「この問題なんだけど～・・・・。」

「ん？どれ・・・・」

先生は教科書を覗き込んだ。
必然的に俺の視界にに先生の後頭部が入り込む。

問題を読みながら耳に髪を掛けるしぐさ。

うわ。

いー匂い。

シャンプーなのかな。
何か、すごいいい匂いがした。

かーちゃんの使ってるのとは全然値段違うんだろーなー(笑)

「あー、はいはい。これは・・・・ここまでは分かる？」

「・・・・・え？」

「ちょっと～。質問しに来たんだからボケーッとしないの(苦笑) これ、ここの式までは分かるかな？」

「あ、うん。そこまでは分かるんだけど、そのあと何でこういう流れになるのか分かんなくて・・・・」

「これは、この計算が省略されてるからなんだけど・・・・ここのxにaの値を代入して・・・・」

「んーっと・・・・」