【wrwrd】目の前に推しがいるんだけど！？【d!】【軍パロ】

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東の空が明るくなり始めた頃、
夜の世界に住む一人の人間が路地裏を歩いていた。

否、”歩いていた”という表現は少し間違っている。
正確には、帰ろうとしていた。

では、少し視点を変えてみよう。


＊


ああ、もう、夜が明けてしまう。

まだ…まだ、明けないでくれ…
自分の家まで誰にもバレずに帰らなければならないのに。


僕は陽の人間ではない。言うのであれば、陰の人間だ。太陽の世界に住まうことを許されない。夜の世界、裏の世界でしか生きられない。表に出るとすればそれは世界の終わりだ。


だが、もう歩けない。ここまで、頑張って歩いてきたが、もう限界だ。
右足は銃に撃たれていて、そこから紅い液体がドクドクと溢れている。すぐに逃げなければならなかった為、応急処置もできなかった。痛い。熱い。寒い。

早く、応急処置をしなければいけないのは分かっていたが、逃げる方が先だと思ったのだ。


出血が多すぎて、フラフラする。

めまいもしてきた。


ああ、もう、足に力が入らない。歩くことさえ辛い。




地面に倒れてしまった。

僕、出血多量でﾀﾋぬのかな。
別にﾀﾋんでいいけど。


今思うと、２回目の人生も楽しくなかったな。

生まれた時から、両親にどこも似ていないこの見た目を気持ち悪がられ、挙句の果てには、闇オークションに出品され…


自分で言うのもなんだけど、元から容姿は良かったから結構高値で売れて、あのクソ共は嬉しがっとったな。自分の子を金にするとか、本当にクソ。

しかも、闇オークションで買われたとこは、人体実験してるところで、僕も被験者にされたし。
１回目の人生がどんなもんやったかは覚えとらんけど、本当にこの人生もクソやわ。


視界も霞んできて、何も見えない。

なんで、この世界に転生したんかは分からんけど、神め、僕の人生めちゃくちゃにしやがって。
こんなんなら、転生せんほうが良かったわ。


もう、本当に限界かな。何も見えないし、何も感じないや。


バイバイ…２回目の人生…
今度こそ、死ねますように

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