14.思考、人酔い ページ15
申し訳なさそうに眉を下げて笑うA。ぼくは無性に物悲しくなった。
「むーん、吉良さん」
彼女がぼくのジャケットを引っ張った。胸があつくなる。
「ん、」
「あの、…すみません。わたしが提案したのに、こんな、」
表情は笑っているのに、泣きそうな声をしていた。
以前のぼくなら微塵も気に留めないところだが、なぜだか、こういう時の彼女の顔を見るのは心臓がいたくなる。わからない。わからない、ぼくはぼくがよくわかっていない。「いいんだよ。」ぼくは言った。もっと言いたいことがあったけれど、くちびるの裏にとどめた。その言葉は自分でもぼんやりした像だったが、しかしたしかにいま言うべきことではないと思ったのだろう。
それからしばらくぼうっと、彼女の髪や眼や手を眺めていた。
彼女は
「、…吉良さん、そろそろ行きましょう。お昼過ぎちゃいます」
「そうだね」
「すみません、わたしのせいで。」
「いいと言っているだろう、謝るんじゃあない」
「ありがとうございます、吉良さん」
まだこの世界に落ちてきて二日目なのだが、彼女にお礼や謝罪をされるのがあんまりにも多い。容姿を入れなかったらいかにも日本人らしい日本人だ。
彼女が多い人ゴミに飲まれそうだったので、今度はぼくから手を握ってやった。Aはびっくりして目をパチクリさせていたけれど、ぼくが足を踏み出す頃には口角を上げて、にっこりしていた。
「ううん、まずは4階ですね」
デパート出入り口のガラス戸をくぐるのも一苦労だ。
今日は何曜日なのだろう。ここはそんなに人気なのだろうか。わからない。
Aがデパート案内所の図を見て言った。さっきからずっとぼくは周りの人間を観察しているが、彼女のような帽子と眼鏡で隠された白い髪や、赤い眼を持つ人間は見当たらない。やはり、悪目立ちしてしまうのだろう。そのせいで彼女は外が、人間がいやになったのだろうか。そう考えると辻褄はあったが、心無い話だと思った。ぼくは殺人鬼であったはずなのに考え方がどうにもおかしい。この世界に来てから、思考が全部が狂ってきている。
「吉良さん、行きましょう」
「、ああ」
ー
わっはー！！！！！！！！！！！(半ギレ)
更新遅れてすみません…反省してます…
基本的にアップする話の次までかけたら更新するようにしてるんですけど最近執筆スピードが全然一定じゃなくて………その…ごにょ……
すみません。
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久坂朧@三色団子と朧は神(プロフ) - 遅れてすみません、完結おメメタァです！最後も含めて素晴らしい作品でした！短編集も面白くて愛読させて頂いてます……！忙しいとは思いますが体調をくずされませんようお元気でお過ごしください！長文失礼しました！ (2020年6月14日 18時) (
レス) id: 6e12f91009 (このIDを非表示/違反報告)
jojo悪大好き系女子(???????)?(プロフ) - ものすごい吉良しゃんが可愛…とりま更新待ってます！ (2017年1月23日 1時) (レス) id: cc963ba128 (このIDを非表示/違反報告)
三枝(プロフ) - 名無しさん柑橘類さん» ありがとうございます！あほほど更新遅いですがじわじわ頑張ります…！終焉まで見守ってくださると嬉しいです！ (2016年8月22日 20時) (レス) id: e57f69624b (このIDを非表示/違反報告)
名無しさん柑橘類 - とても面白いです！無理のない程度に更新頑張ってくださいね！ (2016年8月22日 14時) (レス) id: 46f619a4c2 (このIDを非表示/違反報告)
三枝(プロフ) - 令さん» ありがとうございます…！少女漫画みたいなやつになれ〜と思って書いてるのでそう言っていただけて本望です…！！！更新も疎かにしないで頑張ろうと思います！ (2016年6月5日 18時) (レス) id: e57f69624b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：三枝 | 作成日時：2015年11月22日 15時
