story♪30 ページ30
･
･
･･･なんで。
「うう･･･寒い･･･
帰り、たい」
ぶるっと震える腕を、胸の前で抱き寄せて
首をすくめる。
あたりは真っ暗。
街灯一つない。
ただ、月の灯と、手に持っている頼りない懐中電灯がほんのり足元を照らしてくれている、だけだった。
そのまま、ただの一本道
歩いてきただけのはずだった。
なのに進んでも進んでもたどり着かないから
やっぱり嘘だったのかと思って、引き返した。
･･･はずだった。
たぶん来る時よりずっと長い時間歩き続けてるはずなのに
一向に、宿泊所は見えてこない。
どこかで道がそれちゃったんだろうか。
どこで間違えたか、それさえも分からない。
永瀬くんに頼る気だったから携帯も、持ってきていなかった。
「きゃっ･･･」
ぼーっとしてて、足元に転がる太い枝に注意してなくて、足が引っかかってコケた。
「いたっ･･･」
ビリっと足に走る痛み。
思わず、しゃがみこむ。
痛い
寒い
疲れた
「･･････怖い」
本音がポロリと漏れた瞬間、
とてつもない孤独感が私の心を支配する。
なんだか立ち上がる気力さえ湧いてこなくて
私は、そのまま、ギュッと目をつぶった。
･
･･････ーい。
お･･････っ。
暫くしてると何か聞こえてきて
思わず伏せていた顔を上げる。
少し先の方に、明るい光がチカチカ見えた。
思わず私も持っていた懐中電灯を光の方に向ける。
その光に気づいたのか、
誰か人の影が近づいてくる。
廉「西野っ！！！」
だいぶして、やっと顔が見えてきたと思ったら
それは、焦ったような表情の、永瀬くんだった。
･
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 970人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「永瀬廉」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
さく(プロフ) - LuLuさん» LuLuさん、嬉しい言葉の数々ありがとうございます！！ お話を読み返していただけるなんて嬉しすぎます(TT) 最近亀更新続いちゃってますがぜひ更新した時は遊びに来てください♪ (2018年3月18日 0時) (
レス) id: 1dbc2e4e2d (このIDを非表示/違反報告)
さく(プロフ) - めろさん» めろさん、初めまして(^^) ずっと前からなんてありがとうございます！嬉しいです！ この作品も愛してもらえるよう更新頑張りますのでよろしくお願いします♪ (2018年3月18日 0時) (レス) id: 1dbc2e4e2d (このIDを非表示/違反報告)
LuLu(プロフ) - さくさん！！わたしさくさんの作品がほんとにほんとに大好きです！！純粋にキュンとキュンします(＞＜) さくさんのお休みさてれた期間も、何度も何度も作品を読み返してずっと待ってました(笑) さくさんのペースでこれからも頑張ってください！ (2018年3月17日 6時) (レス) id: 2bd1670f20 (このIDを非表示/違反報告)
めろ(プロフ) - はじめまして、実はずっと前から作品読んでまして、、この作品どんなになるのかなってドキドキしてます(^o^)更新楽しみにしてます！ (2018年3月8日 22時) (レス) id: acc3eee29c (このIDを非表示/違反報告)
さく(プロフ) - ちゃんこさん» ちゃんこさん、はじめまして(^^) その言葉が一番嬉しいです！！ これからも楽しんでもらえるように精一杯頑張ります。受験のこともありがとうございます！ (2018年2月17日 7時) (レス) id: 1dbc2e4e2d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：さく
| 作成日時：2018年2月9日 17時
