＊虹色レイン~Sho.Ren~

story♪08 ページ8

･



〜Sho side〜



･








目の前のとても綺麗な顔をした女の子は、


羨望の眼差しで俺を見つめていた。





こんなの、意外すぎて･･･ちょっとびっくり。








この子ももしかしたら･･･、俺たちと同じなんかな？








初めからなんとなく、周りの子とは違うオーラを感じてはいたけど。








紫｢俺らはさ、この学校では二人でずっと助け合って生きてきた。｣







もちろん、ジャニーズに戻ればほかのJrの友だちがいっぱいおる。



けど、学生にとって学校ってさ、

それなりに大事な場所やろ？




まぁ、俺らにいい思い出は一つもないけどさ。







目の前で目を丸くして


純粋に俺の話を聞こうとしてるこの子になら、





全部話してみても良い気がした。








紫｢入った時は、他の子とも仲良くなれたらいいなーって思ってたよ。

でも周りは･･･違った。

やっぱり俺らと他のヤツらとの間には見えない壁があって、それから他のヤツらは俺らを崇めるようになって、

でもそれって言いかえれば、必要以上に近づきたくない、ってことやろ？｣








あの時の絶望に似た感覚は、今でも覚えてる。





俺らだって同じ、人間なのに


2人だけ、孤独の世界にポンッと放り出されたような感覚。









紫｢それからは俺も廉も周りに期待をせんくなって。

どうせ近づいてくる奴ら皆、何かしら下心があるんやって、そんな風にしか見えへんくなって。｣








って、何を初対面の子にここまで親身に話してもうたんやろ。






でも。



目の前で泣きそうな顔になってるこの子は


今、何を感じてるんかな？って



純粋に興味が湧いたのは確かで。









紫｢きみも、寂しいの？

学校(ここ)に居場所がない？｣









こくんと力なく頷いた彼女を、


助けてあげたいと思った。






いつかの俺と廉が重なったのか、


それとも、この美人すぎる彼女にどこかで男としての本能が音を立てたのか。









紫｢なら、ここに来ればええよ。｣



｢え･･･？｣



紫｢俺が君と一緒にいてあげる。

寂しくなったらいつでも、ここにおいで？｣









柔らかい笑みを浮かべて微笑めば、

目の前で嬉しそうに頷くこの子が単純に可愛くて。




俺は天使にでもなったつもりで

こいつを助けた。







けど本当は、



俺がこいつに助けられたんやって








気づくのは、まだ先の話。









･

story♪09→←story♪07

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す