＊捨て猫、拾いました。~Sho.Ren~

story♪27 ページ42

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「Aはここ座ってて」








よっぽど私が疲れた顔をしていたのか



紫耀は心配そうな顔をして私をソファーに座らせて、お茶を入れてくれてる。


キッチンにいる紫耀をぼーっと見る。







紫耀が･･･帰ってきた。



ここ数日いなかっただけなのに、

私にとっては地獄のような日々だった。




紫耀がいることが、


こんな、泣きたいくらい幸せなことなんて。





じぶんでも･･･気づかなかったな。









紫「はい、A」



「ありがと」






お茶を一口飲むとやっと落ち着くことができて


やっと改まって紫耀の顔を見る。





ずっと心配そうな顔をしてはいるけど、


いつもの紫耀。







こんな顔をさせてるのは、私だ。









「家に、･･･帰ったんじゃなかったの？」



紫「うん、帰ったよ」







おずおず、聞いてみたのに


あまりにもサラリと紫耀は答えるから。









「えっ･･･」



紫「で、また出てきた。」



「･･･はっ？！」



紫「や、正確には

ここに帰ってくるために、一度出て行ったんやけど。」








わからない、という目で見ると


紫耀は観念したようにふっと息をついて


私を優しい眼差しで見つめる。









紫「おれ、中途半端やった」



「･･･」



紫「親と喧嘩して、家出て

でも知り合いに頼ったらなんか負ける気がして変な意地張ってホームレスみたいな生活続けて。

それでいいと、思ってたのに･･･」



「うん」



紫「やのに･･･Aに出会っちゃったから」



「え？」



紫「好きな人が、できちゃったから」







照れくさそうに笑う紫耀。








紫「やから、Aの旅行中に親とケリ、つけようと思って。

ちゃんと言ってきてやった。俺好きな人と暮らしますって」



「それ･･･大丈夫だったの？」



紫「まあ始めはかなり怒られたけど･･･笑

説明してなんとか納得してもらえて」








紫耀が･･･そんなこと、してたなんて

全然知らなかった･･･。









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