＊捨て猫、拾いました。~Sho.Ren~

story♪25 ページ40

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紫耀がいなくても、朝は来る。



当たり前のように太陽は登るし、


月は出る。




いつものように電車が来て


幼稚園に子供たちが来て




当たり前のように時間は進んでいく。







ただ紫耀がいないだけ。





ただそれだけだった。









「ただいまー」









おかえり、って帰ってこなくてから3日。




本当だったら私はまだ沖縄にいるはずで


紫耀へのお土産を楽しく選んでるはずで。








「･･･もう、やだ」








こんなに紫耀のことばっかりしか考えられない自分に、自己嫌悪。




紫耀は携帯を持ってないから連絡もつかないし、


私たちはこんなあっけない関係だったのかって


毎日のように突きつけられる。








もういっそ、全部消えてしまえてば。




ああ、これはきっと幸せな夢だったんだって


そう片づけられるのに。






一緒に2つ並ぶ歯ブラシとかコップとか

一緒に紙芝居を作った色鉛筆とか

紫耀がお気に入りだって使ってたクッションとか



全部が紫耀がいたことを示してる。




私に全部の思い出を

ひとつひとつ丁寧に思い出させる。







ねえ紫耀。


これって時間が経ったら消えますか？





この、苦しくて苦しくて


地獄のような一日が





少しずつ、癒えていくのかな？







ねえ、紫耀。



もう拾うなんてしないから、








だからただどうか





私のそばに、いてください。









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