＊捨て猫、拾いました。~Sho.Ren~

story♪23 ページ38

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キスが幻だったのか




と思えるくらい、紫耀は普通なままだった。





あの日も、紙芝居を完成させたのはほぼ朝で


ふたりでリビングの床で寝てしまったけど


襲われることもなかったし←




朝も普通。


そしてすぐ、私はお泊まり保育へと来てしまったから

結局、紫耀のキスの真相は謎に包まれたまま。







でも私がいくら単純すぎるといっても





『覚悟しときや？』




あの意味くらいは、わかる。





つまりは、そういうことで･･･。







紫耀も、私のこと、そんなふうに思ってくれてるのかな？


なんて淡い期待ができたり。



そしたら、お泊まり保育なんてしてる場合では

正直なくなってきて、

今はひたすら早く帰りたい。





帰って紫耀にいつもみたいに、おかえりって笑ってほしい。








そんな私の悲痛な願いが叶ってしまったというべきか、







「台風･･･」



園長「そうなんだよ。

せっかくの沖縄旅行だったけど、この1週間台風が直撃で飛行機は1本も飛ばないらしい。

残念だけど、中止だね」









やったーーー！って叫ぶのは心の中だけにして


とりあえず、残念そうな顔を作っておく。





でも気分はルンルンで。




やっと帰れる！紫耀に会える！






ただそれだけで。








だから私は。



想像もしてなかったんだ。








紫耀のいない私の家･･････なんて。









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