＊捨て猫、拾いました。~Sho.Ren~

story♪19 ページ34

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「なにー？」








少し先のお店に止まった紫耀の元に行けば


そこにはたくさんのキラキラした指輪が並んでいた。









「わ、可愛い！」



紫「ほんまに。

これとかかっこよくない？」







紫耀がつけるとシンプルなものでもかっこよくなるから不思議。




指輪をつけてキャッキャ喜んでる紫耀は


もう前みたいな怖さは微塵も感じない。




ただの、優しい男の子。









「買う？」



紫「や、無駄遣いはできません！」



「いいのに、それくらい･･･」



紫「Aの家に住ませてもらってるのに、そんなんあかんやろ。」








変なところ律儀なんだから。



鼻歌なんて歌いながら、御機嫌で

色々物色していた紫耀は、



ひとつ、指輪を取って私にはめる。









紫「A、これ絶対似合うと思った」



「可愛い。紫耀、趣味いいねやっぱり」



紫「ふふ」







何も買わなくても


何か特別なことをしなくても






紫耀といる時間はかけがえがなくて


本当に一瞬一瞬が楽しくて









紫「よし、帰るか」



「うん！楽しかったー！！」








夜の街、あまり人もいない。




少し大胆にそう叫んだ私の隣で


紫耀も嬉しそうにニコニコ笑う。








紫「良かった、Aが笑顔でいてくれて。」







Aが寂しならんで、よかった。



紫耀は独り言のように小さくそう呟いたけど･･････私には、ちゃんと聴こえた。









もしかして、



バニラがいなくなったから？







だから、家に帰っていつも通り過ごすよりも


こうやって外で少しでも気を紛らわそうと


してくれたのかな？








「紫耀･･････」



紫「ん？

あ、そや。アイス、買って帰ろか？」









好き。






キラキラ笑って


私の顔を楽しそうな顔で覗き込む紫耀に



1粒の言葉が、私の心から零れ落ちた。









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