あなたじゃないと。3 (ページ9)

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8赤い小指ページ9

「後は盛り付けかな！」

日「すっげぇいい匂い.........。わ、ハンバーグですか?!」

匂いを嗅ぎつけた翔陽がキッチンを覗いていた。

「うん、待たせてごめんね！もうちょいだから待っててね。」

日「Aさんの料理食べれるんだったらいくらでも待ちます！」

「ありがと。」

私より少し背の高い彼の頭をなでると、へへっと照れたように笑った。

「龍ー、夕ー、お手伝いしてー！」

田･西「「はーーーい！！」」

なんであんなに嬉しそうなんだろ。

顔がキラキ............ギラギラしてる。

彼らには人数分のお皿を出してもらってサラダの盛りつけを頼んだ。

田「月島は野菜多めにしよう。」

西「変なドレッシングかけとこうぜ。」

蛍になんの恨みがあるの。

フフフと黒い笑みを浮かべながらサラダを盛り付ける。

ちょっとした地獄絵図。

「蛍ー、ハンバーグどう？」

月「ちゃんと火通ってますよ。」

「じゃあお皿にのっけよっか。」

「わかりました。」と言って菜箸に手を伸ばす。

私はソース作るかな。

そう思って冷蔵庫に行こうとしたとき、

月「っつ!!!!」

小さな小さな悲鳴が後ろから聞こえた。

「蛍?!大丈夫?!」

パッと蛍の手を取り水道の水で冷やす。

小指のところが少し赤くなっていた。

蛍のいたところを見ると、菜箸の近くにフライパンの蓋が。

ハンバーグを焼いたときの蒸気で熱くなっていたんだろう。

そこに手を当てちゃったんだなと分かった。

澤「どうした？」

「蛍がヤケドしちゃったみたい。」

私の声が大きかったのだろう。

みんなが何事かと集まってきた。

月「大袈裟ですよ。」

「選手の大事な手だよ？大袈裟なんかじゃない。」

冷やしたあと、薬を塗って軽く包帯を巻いた。

月「やっぱ、大袈裟です。」

呆れたような目をこちらに向けたあと、パッと私から視線を外す。

月「でもまぁ、ありがとうございました。」

小さな声で、耳は真っ赤で。

「こちらこそ、手伝ってくれてありがとうね。」

いつもと違う蛍を今日はたくさん見れた気がする。