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45左手の薬指 ページ46

あの時も同じだった。



息が苦しくて、

足がもつれて転びそうになって、

止まってしまいたいと思って、



でも、やっぱりあの時と同じ。

早く帰りたい、早く会いたい、


いつだってこの思いが私を動かす。









「ただいま、孝支。」






あぁ、やっと言えた。ずっと言いたかった言葉。




そして、ずっと聞きたかった言葉。







菅「おかえり、A。」







ぎゅっと私を抱きしめて、耳元で囁いた彼の声は少し震えていた。







「待っててくれてありがとう。」



菅「いくらでも待つよ。でも、もう一人で頑張らないで。俺を頼って。


俺ら、夫婦になるんでしょ。」




「………………っ、うん、ありがとう。」









『夫婦』



その二文字が優しく響いて、


今度は暖かい雫が頬を伝う。









最初はただの許嫁で、



でも気づいたら惹かれてて、



孝支といるのが楽しくて。









お互い嘘をついたこともあったね。



たくさん回り道をしたね。








でもやっぱり、









帰ってくるのは、ここなんだね。









菅「A、左手出して。」



「左手?」






なんだろうと思い左手を出すと、

キラリと光るものが薬指にはめられる。








「これって…………。」



菅「ちゃんと言ってなかったから。

Aが帰ってきたら伝えようと思ってたんだ。」







ふわりと笑う孝支と目が合う。



あぁ、もう、



涙で孝支の顔が見えないよ。




















菅「俺と結婚してください。」









こんな幸せでいいのかな。





愛しいという気持ちが溢れて溢れて止まらない。




















ねぇ、孝支。


離れて、改めて思ったことがあるんだ。









やっぱり私には、









「……………っ、はい。」



























あなたじゃないと。









end*

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びじゅ - このお話に出会えて良かったです (2019年7月24日 18時) (レス) id: 29491d0de8 (このIDを非表示/違反報告)
夜桜 奏 - とても素敵な物語でした。ありがとうございました (2018年11月21日 17時) (レス) id: 4558ce44e2 (このIDを非表示/違反報告)
いちごって美味しいよね - 最高でしたぁぁぁ!!! (2018年9月13日 0時) (レス) id: 9e74247a01 (このIDを非表示/違反報告)
ミーシャ アルグ - 面白かったです!最高(・∀・)イイ!! (2017年1月1日 11時) (レス) id: a8d11639cf (このIDを非表示/違反報告)
まっちゃ - すごい感動しました…!その才能、分けてほしいです!! (2016年10月19日 2時) (レス) id: f6717c82fd (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:らるこ | 作成日時:2014年10月15日 23時

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