39行ってらっしゃい ページ40
菅原side
ピンポーン
朝早くに家のチャイムが鳴った。
こんな朝早くに誰だろう。
起きて間もない俺はパジャマ代わりに着ているスエット。
着替える暇もなく、そのままドアを開けた。
菅「どちらさまで____」
「おはよう、孝支。」
ニコッと笑うワンピースを着たA。
驚きすぎて声が出ない。
やっと絞り出した声もかすれていた。
菅「おかえり、A。ほら、早く入って!!」
きてくれた、帰ってきてくれた。
また、あの時のように一緒に暮らせるんだ。
緩む頬を抑えながら、くるりと向きを変えて家に入ろうとするけど、
Aはそこから動かない。
菅「どうしたの?ほら、は」
「ごめんね。」
まだ誰もいない住宅街。
Aの声が大きく響いた。
建物の隙間から朝日が差す。
なんでだろ、暖かいと感じない。
「まだ、一緒には暮らせない。」
菅「なんでっ………………!!」
ふわりと鼻をくすぐる香り。
俺を包む暖かさ。
痛いくらいに伝わる、愛おしさ。
すべてがとても懐かしく感じた。
「必ず帰ってくるから、ただいまって言うから、
それまで、待っててくれますか?」
ゆらり、ゆらりと彼女の瞳が小さく揺れる。
離しちゃいけない。
直感的にそう思った。
でも、
菅「行ってらっしゃい。」
気づいたら、そう言っていた。
「行ってきます。」
そっと俺の唇にキスを落として、ふわりと笑った。
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びじゅ - このお話に出会えて良かったです (2019年7月24日 18時) (レス) id: 29491d0de8 (このIDを非表示/違反報告)
夜桜 奏 - とても素敵な物語でした。ありがとうございました (2018年11月21日 17時) (レス) id: 4558ce44e2 (このIDを非表示/違反報告)
いちごって美味しいよね - 最高でしたぁぁぁ!!! (2018年9月13日 0時) (レス) id: 9e74247a01 (このIDを非表示/違反報告)
ミーシャ アルグ - 面白かったです!最高(・∀・)イイ!! (2017年1月1日 11時) (レス) id: a8d11639cf (このIDを非表示/違反報告)
まっちゃ - すごい感動しました…!その才能、分けてほしいです!! (2016年10月19日 2時) (レス) id: f6717c82fd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:らるこ | 作成日時:2014年10月15日 23時