あなたじゃないと。3 (ページ34)

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33壊してあげるページ34

月島side

なんて顔して笑うんだ。

愛おしそうに、切なそうに。

僕には見せない、させられない顔。

ま、どんなに想いあっていても結ばれないんだけどね。

なのに、なんで。

Aさんが愛おしそうに見つめるのは、

コートにいる僕じゃなくて、

ベンチにいる菅原さん。

プレーする僕じゃなくて、

応援をする菅原さん。

婚約者の僕じゃなくて、

好きな人の菅原さん。

結局、コートでボールを触るとき以外Aさんは僕を見てくれなかった。

組まれていた試合が全て終わり、用意された部屋で着替えていると、

僕をイラつかせる言葉がいくつも飛び交う。

西「じゃあ、このあと一緒に帰るんですか?!」

菅「約束してないけど、正門で待ってよっかなって。」

影「俺も待ってていいですか?!」

日「俺も！」

澤「Aと話したいのはわかるけど、邪魔になるだろ。」

菅「いいよ、Aもみんなと話したいだろうし。」

あぁ、イラつく。

嬉しそうに笑う彼らに心底腹が立つ。

着替えが終わり、さっきの話の通りみんなで正門でAさんを待つ。

日「まだかな～。」

東「A、びっくりするだろうね。」

ニコニコと笑いながら待つ彼らにイライラは募るばかり。

人の気も知らないでのんきだね。

だいたい、Aはぼくのなのに。

あぁ、そっか。みんな知らないんだっけ。

ゆっくりと口角が上がる。

「あれ？なんでみんないるの？」

青城の人とともに現れたAさんが目を丸くする。

菅「一緒に帰ろうと思って待ってたんだ。そしたら、みんなも会いたいって。」

田「あまり話せなかったので!!」

楽しそうに、嬉しそうに笑う顔を、

菅「帰ろう、A。」

壊してやりたい。

月「ダメですよ、Aさんは僕のなので。」

ビクッと小さくAさんの肩が跳ねた。

影「何言ってんだ、月島。」

西「Aさんはお前のじゃないだろ！」

田「冗談キツいぜー!!」

教えてあげますよ、みなさんの知らないこと。

月「僕、Aさんの婚約者なので。」