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25君の秘密 ページ26

及川side




あの時と全く同じ言葉をかけた。



「うん、ちゃんと食べてるし、寝てる。」



そして、あの時と全く同じ言葉が返ってくる。






及「嘘つかないの。こんなに痩せちゃって。菅原くんは気づかなかったの?」





彼女は困ったように笑って、「前にもこんなことあったね。」と言った。





及「A、ちゃんと質問に答えて。さわやかくんと何かあったの?」



「なにもないよ。」



及「じゃあ、今から二人の家行っていい?」





そう言えば、バツが悪そうにうつむいてしまった。





ほら、やっぱり。







及「何があったのか、話して。」






なるべく優しく声をかける。


顔をあげたAの目には薄い膜が張ってあった。















「………………………婚約解消されちゃった。」









Aの声が、ぐわんぐわんと頭に響く。









「二宮が事業に失敗しちゃったらしくて。このまま衰退するだろうからって。



だから頑張って勉強して、わたしが二宮を立て直そうと思って……………。」






彼女の目からポロポロと、


雫がベットに落ちては吸い込まれ、消えていく。





だからあんなに必死になって勉強してたんだ。






でも、さわやかくんはなにをしてるの?


こんなことになれば、黙っているはずがない。







及「ねぇ、A」



その時、ガラッとドアが開く音がした。



Aは急いで涙をぬぐい、再び横になる。




シャッとカーテンを開けて顔をのぞかせたのは保健室の先生。





先「Aさん、起きたのね。どう?調子は。」



「だいぶ良くなりました。」



先「そう、よかった。親御さん呼んだから今日はもう帰りなさい。


それと及川くん、付き添っててくれてありがとうね。もう、教室戻っていいわよ。」




及「わかりました。」





また明日にでも聞くとしよう。






先生に軽く礼をして「お大事に。」と頭を撫でる。









「さっきのこと孝支に言わないで。孝支は知らないの。」









ピタリと手が止まる。



知らない?なんで、婚約者でしょ?








先「及川くん?授業遅れるわよ?」




及「あっ、はい。」








「ありがとね。」と笑う彼女の顔は、




見ているこっちが泣きたくなるほど悲しい顔をしていた。

26やっぱりダメですか?→←24 2回目の保健室



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びじゅ - このお話に出会えて良かったです (2019年7月24日 18時) (レス) id: 29491d0de8 (このIDを非表示/違反報告)
夜桜 奏 - とても素敵な物語でした。ありがとうございました (2018年11月21日 17時) (レス) id: 4558ce44e2 (このIDを非表示/違反報告)
いちごって美味しいよね - 最高でしたぁぁぁ!!! (2018年9月13日 0時) (レス) id: 9e74247a01 (このIDを非表示/違反報告)
ミーシャ アルグ - 面白かったです!最高(・∀・)イイ!! (2017年1月1日 11時) (レス) id: a8d11639cf (このIDを非表示/違反報告)
まっちゃ - すごい感動しました…!その才能、分けてほしいです!! (2016年10月19日 2時) (レス) id: f6717c82fd (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:らるこ | 作成日時:2014年10月15日 23時

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