あなたじゃないと。3

12宣戦布告 ページ13

月島side




痛そうに腰をさするAさん。






「さっきドリンクのカゴ持ったら重くてさ。」





そんな嘘通用するの、日向か影山ぐらいですよ。




幸せそうな顔しちゃって。



昨日、あのまま泊まってけばよかった。







なんで菅原さんなんですか。




許嫁だったらまだよかったのに、




なんで好きな人になったんですか。







これじゃあ、僕の入る隙ないじゃないですか。







月「重たいもの持って腰痛めるとか歳ですか。」






こんなこと言うからですか？



確かに菅原さんは言わなそうですもんね。





俺と違って、優しいですもんね。










「蛍ってさりげなく優しいよね。」









優しい？僕が？




トゲトゲとしていた心が、少しずつ丸くなっていく。





Aさんはそのトゲにすら気がついてなさそうだけど。












月「Aさんに1つ、質問です。」









もうやめた。




あなたを諦めることを、諦めます。







ちょっとだけ、頑張ってみようと思います。






だって、











月「婚約者がいる人を好きになっちゃいけないなんてルール、ないですよね？」




「.........へ？」









誰のことを好きになろうと自由。






一か八かかけてみよう。









みんなが唖然とした表情を浮かべるなか、Aさんに笑いかける。












宣戦布告です、菅原さん。

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