あなたじゃないと。3 (ページ2)

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菅原side

菅「A、また料理うまくなった？」

「ほんと？！嬉しい。」

ふにゃっと頬を緩ませて嬉しそうに笑う。

目の前にずらりと並ぶ料理。

どれを食べても美味しくて、食べ過ぎてしまうほど。

「みんなにも調理実習の時褒められたんだー！

いいお嫁さんになるねって。」

んんん？

いいお嫁さんになるね？

菅「調理実習って、グループに分かれて作るよな？」

「うん、そうだよ。」

菅「Aのグループ誰？」

「若葉ちゃんと絵未ちゃんと小林くんと翔くんと.........」

一本ずつ指を折りながら数えていく。

名前言われても誰かわかんないんだけどね。

でも確実にわかった。

グループには男もいる。

他の男がAの料理食べてるだとか、

いいお嫁さんになるねとかいいながらAのこといいなとか思ってるんだろうなとか、

そんなことを思うと無性にイライラする。

「孝支？もしかして、辛すぎた？」

よほど変な顔をしていたのだろう。

Aが心配そうに俺の顔をのぞき込む。

菅「違う違う！ちょっと、考え事。」

「そっか。」

モヤモヤとした気持ちのまま食べ進める。

妬いたとか言ったら心狭いって思われるかな。

でもやじゃん。

Aは俺のだし。

あ、なんか自分で言ってて恥ずかしくなってきた。

「孝支、顔真っ赤だよ!!やっぱ辛かった?!」

菅「大丈夫だから！！美味しいから！」

今日の夕飯が麻婆豆腐でよかった。

「やっぱり、孝支に美味しいって言ってもらえるのが一番嬉しいね。」

また、へにゃと笑う。

「孝支のお嫁さんになったとき、いいお嫁さんだねって言ってもらえるかな？」

頬を赤らめて恥ずかしそうにいうAに、胸がきゅっとなる。

その一言で、不安とかイライラとか全部吹き飛んじゃうからすごいよね。

菅「当たり前。」

そう言ってにっと笑うと嬉しそうに目を細めた。