誰そ彼。

25 定義 ページ25

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『Aちゃんって、ほんまにお前のこと好きなん？』


食べていた焼きそばパンを危うく詰まらせるところだった。
何やってんだよとお茶を手渡してくれたのはこうなった原因の友達で、お前のせいだと軽く睨みながら『どういうことやねん』それだけ返してお茶を口に含む。


『お前が女子に囲まれて、挙句腕組んだりベタベタされてても涼しい顔して横通り過ぎてくし』

『そらただの女友達って分かってくれてるからやろ』

『ご丁寧に侑へのラブレターなんか預かっちゃって渡してくるらしいし』

『…そういうの無下には出来へん優しー子なんよ』

『極めつけはなんやったっけ？デート中ばったり元カノと会ったときも｢綺麗な人だね｣って言いよったらしいやんか』

『……Aは人のこと悪く言わへんねん』


呆れたようにため息をついた友達は俺の手からペットボトルを奪い取って口をつける。
｢間接キスやな♡｣ちょっとふざけてみただけなのに盛大に吹き出した彼は飲んでたそれで俺の頭を勢いよく叩いた。あまりの痛さに頭を抱えて悶絶すれば｢いい気味や｣と腕を組む。なんて奴だ、横暴にも程がある。

ああ、出来ることならこんな乱暴な男友達とじゃなくてAと昼飯食べたかったなぁ。
そういえば一度だって共にしたことは無い気がする。一緒に帰ったのは2回？だったかな、部活がなかったとき。デートは……最後にしたのはいつだろう。


あれ？




『優しいって言うより、無関心やろ、それは』


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