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2、3分経ってこちらに体を向けた宮くんが紙切れを置いてまた前を向く。
それを確認してゆっくりと開いたそれ、私の文字の下に見かけによらず整った彼の字が並んでいた。
『なんや、告白かと思ってドキドキしたやないかい』
ふざけるな、そう口にしそうだった。
こんなときでもおちょくってくるのか彼は。
周りにバレないよう、そっと彼の椅子を下から蹴ると少し驚いたようにびくついた大きな体は、すぐに小さく肩を揺らした。
『こんな時までふざけないでよ』
『照れ屋さんやもんな、Aは』
『自意識過剰っていうんだよ、宮くん』
『俺、顔はイケてる方だと思うんやけど？』
『冗談は顔だけにして』
『なにうまいこと言うてんねん』
先生が黒板に向くたびに私と彼とを行き来する小さな紙切れは、くだらなくて、でもどこか心地いい会話のせいであっという間に埋まってしまって、先ほどと同じ要領でノートを破いた。
そこで我に返って頭を振った。
いけない、いけない、流されるところだった。
知らぬ間に緩んでいた口元に力を入れ、静かに深呼吸をしてペンを走らせる。
『冗談はもう充分。お願い、教えて』
投げ入れるのも随分上手くなってきた。
再び速まる鼓動、いつの間にか握りしめていた手にはじんわり汗をかいていた。緊張、だろうか。
とても複雑な気持ちだった。
例えるなら、プレゼントを開ける時のような。
開けるのが怖くて、でも中身が知りたくて、ソワソワする、そんな気分。
それを知ってか知らずか、案外早く返ってきた手紙を開いた私は思わず眉をひそめた。
『俺、告白は直接派やねん』
本日2度目だ、彼への不満が口を出そうになったのは。
どうやら彼は私を怒らせることが得意みたい。
張り詰めていたものが緩んだ気がした。
緊張していた私が馬鹿みたいじゃないか。
もう我慢ならないと怒りを書き殴ろうと強くペンを握りしめたとき、目の前にまたひとつ、手紙が送られてきた。
少し質感の違うそれは、彼のノートの切れ端らしかった。
不思議に思いながらも、私からの返事を待たずして送られてきたそれを開く。
まるで意味がわからなかった。
これが、率直な感想であり、本音だった。
『だから、Aからの告白、嬉しかった』
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青雲 - 読んで美しいと思いました。らるこさんの作品本当に好きです！これからも無理しない程度に頑張ってください！ (2018年9月14日 16時) (
レス) id: 38830a0efa (このIDを非表示/違反報告)
つきら - らるこさんの作品すごいすき (2018年8月18日 2時) (レス) id: 2b230d4b3a (このIDを非表示/違反報告)
鈕(プロフ) - らるちゃん完結おめでとうございます！！だいすきならるちゃんの侑くんのお話が読めて本当に胸がいっぱいです（ ; ; ）このお話がだいすきです、素敵なお話をありがとう！ (2018年4月29日 23時) (レス) id: 59e93a82ae (このIDを非表示/違反報告)
京ちゃん。(プロフ) - これ読んで久しぶりに恋しちゃいました！久しぶりにときめいちゃいました！！！ほんとに素敵でした！ (2018年4月29日 20時) (レス) id: 706e95c0fd (このIDを非表示/違反報告)
らるこ(プロフ) - ぷちしゅー。さん» ぷちしゅー。さん！お久しぶりです(*¨*)そして御返事遅くなってしまってすみません……！こちらこそまた読んでいただけてることとても嬉しく思います.*･ﾟ引き続き楽しんでいただけるよう頑張りますのでよろしくお願いします(*¨*) (2017年10月11日 15時) (レス) id: 0508647bd8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：らるこ
| 作成日時：2017年8月19日 20時
