隣にいたのは君でした。２【澤村大地】

044室:ようこそ ページ9

声のした方、



体育館の扉を見ると、


今にも泣き出しそうな顔をした仁花ちゃんがいた。















谷「私も途中から入部させていただいて、バレーについては何も知らないし、どんくさいし、役立たなくてっ。

迷惑かけてばっかりで。



でも、いいよって言ってくれたんです。」









一生懸命、



ひとつ、ひとつ、言葉を紡いでいく。









どれも真っ直ぐで、


優しくて、


あたたかい。














谷「“仲間”なんだからって。」












張りつめていたものが、




プツンと切れてこぼれていく。















涙と共に溢れる、


本当の気持ち。










もう、どうやったって止まらない。

























「迷惑、かけてもいい…………っ？」










“仲間になってもいい？”






そんな言葉を隠して。




















気づけば目の前に、



私を真っ直ぐ見つめる大地。

















ふわり、


何かがかけられる。












真っ黒なジャージ。





仲間の証。




















澤「ようこそ、烏野排球部へ。」












ニッと笑ったみんなの顔は、



もう歪んで見えなかった。

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