隣にいたのは君でした。２【澤村大地】

043室:飲み込んだ言葉 ページ8

絶対不味いはずなのに、


飲めたもんじゃないのに、







嬉しそうに飲んでくれて。




本当、優しすぎるんだってば。












「ありがとうっ…………。」










歪む視界の中、


みんなが笑ってくれた。













菅「A、マネージャーやらない？」















スガくんがポツリ、落とした言葉。



ふわりと溶けて、静かな体育館に消えていく。











田「やってください！」


東「Aがいてくれたら心強いね。」


縁「ハゲとチビ、飼い慣らせてますもんね。」


田･西「「おい、縁下。」」












ケタケタと笑うみんな。








暖かくて、


もっと近づきたくて、






一緒にいたい。









そんな、出かけていた言葉を飲み込む。














「ううん、やらない。」


日「なんでですか?!」


「迷惑かけちゃうから。」













小さく呟いたつもりなのに、



大きく大きく、響いた言葉。













みんなの顔が苦しそうに歪んで、


体育館が重い沈黙に包まれた時、










光が差すように、



声が届いた。

















谷「迷惑、かけてください！」

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