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「…なんだ?」

「いや…ビックリしただけ」


思わず零くんの顔を覗き込んだ私に

零くんはどこかムスッとした顔をしてそっぽを向いた。


赤井さんのことを天敵だと思いながらも

私を助けてくれた赤井さんに対して感謝してくれている。

それだけで私はホッコリした気持ちになった。


ここ最近物騒なことが続いているから尚更そう感じるのだろう。


たびたび見かけていた零くんの増えていく怪我。

そんな危ない組織に潜入していたのならいまは理解できる。


また増えていた腕の傷を労るように撫でた。


「…零くん。可愛い」

「可愛いなんて言われたくないよ」

「ふふ。うん、そうだね」


私がつい揶揄ったように笑ってしまうと

ムクリと起き上がった零くんが私にのし掛かる。


ヤバい…と思った時には零くんの目はギラリと光っていた。


「…覚悟は出来てる?」

「か、覚悟?」

「うん。僕に愛される覚悟」

「え…」


そう思った時には噛み付くようたキスを落とされる。

口の中を蹂躙する舌は私を蕩けさせる媚 薬だ。


「んっ」

「そういう顔が…煽ってるんだ」


さっきだって何回もしたのに…


「いい?」

「あっ、んっ」


答えを聞きながらも答えさせてくれない。


零くんの劣情を煽ってしまった私は、

そのまま零くんに美味しく頂かれたのだった。









それからの私は強行犯での仕事をしながら

退庁後に公安の風見さんから組織について学ぶ日々を送っていた。


風見さんは割と顔の割れた公安だ。

零くんのような潜入捜査は少ないが、

それでも知識量は半端がなく、さすが公安のエリートである。


「今日はここまでにしましょう」

「ありがとうございました」


風見さんと顔を突き出してタブレットを覗いていたので少し肩が凝った。

体を起こしながら肩をぐるぐると回すと

風見さんが私をジッと見つめていることに気付いた。


零くんの部下だから忘れがちだが、風見さんは零くんより年上の方だ。

そんな方から見つめられると変に緊張してしまった。


「な、何か?」

「いえ…降谷さんは貴方がよほど大切らしい」

「へ?」

「ほら」


そういうと風見さんが私にスマホを見せる。

そこには零くんから『終わったら自宅まで送り届けるように』とメッセージが届いている。


…零くんの過保護度合いが増している。


「…本当にすみません」

「いえ、気持ちは分かりますよ」


居た堪れなくて風見さんに頭を下げると

彼は優しい声色でそう答えた。

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設定タグ:降谷零 , 名探偵コナン , 警察学校組   
作品ジャンル:アニメ
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可奈(プロフ) - 更新が止まってしまって寂しいです( ; ; )今後更新予定はありますか? (2022年11月15日 23時) (レス) id: 3436ec9eb3 (このIDを非表示/違反報告)
- 何回も愛読して読んでいます。今後の展開が楽しみです気長に待っています更新よろしくお願いします (2022年8月13日 18時) (レス) id: aad8ad965b (このIDを非表示/違反報告)
ぼあ - ここまで一気読みしてしまいました!夢主が大切にされすぎてて苦しくなります(?)更新待っています!頑張ってください(⁎ᴗ͈ˬᴗ͈⁎) (2022年8月8日 9時) (レス) id: a5b6221b88 (このIDを非表示/違反報告)
NANA(プロフ) - 可奈さん» わ!毎日の楽しみにしてくれてありがとうございます(^^) (2022年7月2日 10時) (レス) id: 7dd674bdfd (このIDを非表示/違反報告)
NANA(プロフ) - 染岡さんの愉快な仲間たちさん» 頑張ります〜!遅くなってすみません( ; ; ) (2022年7月2日 10時) (レス) id: 7dd674bdfd (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:NANA | 作成日時:2022年6月19日 10時

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