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ーー私は、降谷零を完璧な男だと思っていた。




実際に彼の身体能力はずば抜けているし、

射撃技術もピカイチで、それでいて容姿端麗。

そして彼のドライブテクニックを見れば、

誰もが素晴らしいと言うだろう。



あの日から私の生活が変わったかと言えば、それはNOだ。

黒田管理官から“覚悟はあるか“と言われたあの日、

私は特に何かを知らされる訳ではなく、そのまま帰宅した。

追って連絡をもらうようだが、

まずは公安内でFBIサイドの要望を精査するらしい。



そして三日が経った。

今日も普段通りに捜査一課の仕事を無事に終えて、

私は帰路に着いていた。


自宅マンションは女性の一人暮らしだからと

警視庁や最寄駅から割と近い場所を選択した。

そしてオートロックなど

セキュリティ面でもよく考えた賃貸マンションだ。

姉もここならばと許してくれたマンションである。


そのマンションのエントランスドアに、

見慣れた姿を見つけてドキリとした。


それは先日、彼のなりすましに会った時の恐怖心でもあった。


それでもその青い瞳に吸い込まれるように体は勝手に動く。



「ーー零くんっ」



抱き付けば、嗅ぎ慣れた零くんの匂いがする。

それを胸いっぱいに吸い込むと、

不安な心はどこかに飛んでいくから不思議だ。


「…すまない、A。怖い思いをさせた」

「ううん、零くんが無事なら…なんでも平気」


零くんが私を包み込んでくれる温かさに胸が震えた。


ーーあぁ、零くんはここにいる。


そう思っているのは私だけではないようだ。



彼が私の(おとがい)をクイッと指にかけると、

噛み付くようなキスが降ってきた。

真上からのし掛かられるような体勢に腰が反り返る。

「んっ」と身を捩ると、それに気づいた零くんは

私の太ももに腕を回してそのまま抱き上げた。


フワッと浮いた感覚にビックリしても

唇が離れることはなかった。

そのまま零くんの両肩に手を添えて体を預けた。


そして互いの体温がキスで混ざり合うころ、

そっと互いの唇が離れる。


「…部屋に入りたい」

「うん、来て」


エントランスを抜けてエレベーターを上がる。

そしてパタンと玄関の扉が閉まると、そのまま壁に押しつけられた。


「零くんっ」

「…A」


そして零くんは執拗に私の体温を確かめるようにキスをする。

痛いほどに、きつく絡み合う。



ーー見上げた零くんの瞳は不安に揺れていた。

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設定タグ:降谷零 , 名探偵コナン , 警察学校組   
作品ジャンル:アニメ
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可奈(プロフ) - 更新が止まってしまって寂しいです( ; ; )今後更新予定はありますか? (2022年11月15日 23時) (レス) id: 3436ec9eb3 (このIDを非表示/違反報告)
- 何回も愛読して読んでいます。今後の展開が楽しみです気長に待っています更新よろしくお願いします (2022年8月13日 18時) (レス) id: aad8ad965b (このIDを非表示/違反報告)
ぼあ - ここまで一気読みしてしまいました!夢主が大切にされすぎてて苦しくなります(?)更新待っています!頑張ってください(⁎ᴗ͈ˬᴗ͈⁎) (2022年8月8日 9時) (レス) id: a5b6221b88 (このIDを非表示/違反報告)
NANA(プロフ) - 可奈さん» わ!毎日の楽しみにしてくれてありがとうございます(^^) (2022年7月2日 10時) (レス) id: 7dd674bdfd (このIDを非表示/違反報告)
NANA(プロフ) - 染岡さんの愉快な仲間たちさん» 頑張ります〜!遅くなってすみません( ; ; ) (2022年7月2日 10時) (レス) id: 7dd674bdfd (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:NANA | 作成日時:2022年6月19日 10時

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