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ブォン…!と激しい音を鳴らして白いスポーツカータイプの車が目の前に停車した。

もちろん透さんの愛車、RX-7である。



「お待たせしました」

「いえ、ありがとうございます」



とっさにとってつけたような笑顔を張り付ける。

一瞬透さんの表情が曇った気がしたけど

それには気づかないふりをしていつものように助手席に座った。



「今日はウチに上がっていきますか?」

「いや…ちょっとまだ片付けたいこともあって。すみません」

「いいえ、気にしないでください。会いにきてくれただけで嬉しいですから」

「Aさん…いつもありがとう」



それは本当。

透さんがいつも忙しいの知ってるから。

一瞬でも会いに来てくれて本当に嬉しいんだよ。



家まで送る、といっても私の家はポアロから歩いて五分の距離。

そんなの車だと一瞬で着いてしまって。


路肩に車を停めると、透さんは少し悲しそうに私を覗き込んできた。



「…なにか、ありましたか?」

「え?」

「Aさん、なにか落ち込んでるように見えたから」

「………そんな、ことないです。少し、今日は忙しくて疲れちゃったんです」

「そうですか…」




ダメ。この感情は読み取られてはいけない。

寂しいって、もっと透さんのことを知りたいって、

そんなこと言っちゃダメだから。




「Aさん」

「は、い…っ!」



透さんに呼ばれて俯いていた顔をあげると、

ぐいっと腕を引かれた。

いつもの様に優しいキス…ではなく。



「…っ、ん…」



それは透さんの熱をより感じる、

まともに息ができないほどの激しいキス。

彼のソレが唇を割り私のソレを絡め取る。

少し脳内が酸欠でクラっとしたあたりでゆっくりと唇が離れた。



「…っ、とおる、さん、」

「…Aさん」



少しグッタリとしながら透さんの逞しい胸板にもたれかかる。

すると透さんは私の頭を片腕で抱きしめた。




「…ほんとは。もっと一緒にいたいです」

「…え、」

「Aさんを抱きしめていたい」

「…っ、とおる、さん?」




それなりに恋愛経験をしてきたつもりだけど

透さん相手だとそんなことは関係ないくらい恥ずかしくて。

この人の大人の色香に酔ってしまいそう。



「透さん…好きです」

「僕もですよ、Aさん」



私はこの安室透という人に酔いしれているかもしれない。

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設定タグ:安室透 , 降谷零 , 名探偵コナン   
作品ジャンル:アニメ
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NANA(プロフ) - アオさん» アオさんありがとうございます!訂正してきます^ ^ (2018年5月4日 10時) (レス) id: 33232cc3d6 (このIDを非表示/違反報告)
NANA(プロフ) - 薔薇さん» 薔薇さん初めまして。楽しんでもらえて嬉しいです^ ^続きもよろしくお願いします^ ^ (2018年5月4日 10時) (レス) id: 33232cc3d6 (このIDを非表示/違反報告)
NANA(プロフ) - ちりさん» ちりさん初めまして。キュンキュンしてもらえて嬉しいです。更新頑張ります^ ^ (2018年5月4日 10時) (レス) id: 33232cc3d6 (このIDを非表示/違反報告)
アオ - 安室さんに仕事は休みをとったのは、夜のうちに言っていましたよ? (2018年5月4日 9時) (レス) id: 95a693fe0b (このIDを非表示/違反報告)
薔薇 - とても素敵なお話で、更新を楽しみにしていました。執行人編、とても楽しみにしております。 (2018年5月4日 0時) (レス) id: cb8b72a93d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:NANA | 作成日時:2018年4月28日 16時

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