私の知らない瞳 〜安室透〜

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「Aさん、良い子で可愛いしね。もちろん好きだよ」

「…あ、そう」



「料理も美味いんだよ」と、さらりとそんなことを言う安室は本気なのかどうなのか。

でも不思議に思うのは、

赤井の生存確認のために杯戸中央病院に近づき、

そして彼女を利用しながら情報を得ていたとしたら。


赤井の生存や、そして安室の正体『降谷零』のことが互いにバレたいま、

安室がいまだにAと一緒にいる理由はなんなのだろう。


そして、彼女はどこまでを知っているのか。




「納得していないって顔だね」

「まーね。Aさん、良い人だから」

「それは僕が一番よく知ってるさ」




「ケーキ食べる？」と目の前にお皿が置かれる。

クリームがふわふわと乗っているそれはとても美味しそうである。


公安警察で、探り屋バーボンで、ポアロでケーキを作ったりしていて、


この人には欠点なんてないんじゃないか。



「これは食べるけどさ。それとこれは別問題。Aさん泣かしたら俺らが許さないからね」

「…分かってるさ。言われなくてもね」



俺ら、とは少年探偵団や蘭に園子、それに梓だろう。



みんなが彼女の人間性を認めている。



だからそれを利用しようだなんて許せないし、

いまのこの状況がコナンには納得いかないのであった。

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