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白「…え?!真っ暗じゃん?!」
緑「だね…電話繋がるかな…」





焦っているラウとは裏腹に冷静な亮平は
非常ボタンを押して外部と連絡を取ろうとしてくれていて
みんなそれぞれスマホのライトで周囲を照らす





俺もなんかしなきゃって思ったとき
ふとやけに静かな、蓮のことが気になった





『…蓮?大丈夫?』
黒「ん…?うん、へーき」
『そう?苦しくなったりしてない?』
黒「ん、だいじょーぶ」


頑なに大丈夫しか言わないから変に問い詰めずにいたんだけど







エレベーターの故障はどうやら停電によるものらしい
亮平曰く、もう少し時間がかかるかもって…







白「…え、ちょっ蓮くん?大丈夫?」






亮平と話していた時、突如ラウの焦った声がした
パッと明かりを蓮のほうに向けると心臓をぎゅっと抑え蹲っていた
やっぱ発作起きちゃったか…






亮平が冷静に外部と連絡を取って
救急隊の人が待ってくれるように手配をしてくれたみたい








『蓮〜大丈夫だよ。焦んない焦んない大丈夫』
黒「…はっ、、うぅっ…」






ラウと亮平がライトで照らしながら
鞄から薬を探してくれてるのを待つ間
俺は苦しむ蓮に声をかけ続けることしかできなくて







白「あった!!」
『ラウありがとう!…蓮?口開けれる?』








まだ意識はしっかりしてるから自分から口を開けてくれた
薬を入れてあげればちゃんと飲めてるし…
これで収まってくれたらいいんだけど
…それより早くエレベーター動いてほしい









ちゃんと薬が効いてくれたおかげで
心臓がぎゅってなる痛いほうの発作は治まったんだけど
まだ息苦しさが残ってるみたいで







黒「…はぁっ、はぁっ…んっ…」
白「蓮くん…」









不安そうに俺の体に凭れている蓮を見つめるラウ
こんなにも時間の進みがゆっくりだと感じることはない
真っ暗な空間にわずかな光
その中に響く、蓮の不規則な呼吸















……まだ動かないのかな。

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作者名:たそ | 作成日時:2021年11月5日 22時

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