solis (ページ3)

今日:27 hit、昨日:17 hit、合計:164,004 hit

3 ページ3

＿Tatsuya

はーい、一応深澤家の長男やってまぁす。辰哉でーす
長男として生まれたっていう揺らぐことのない事実があるだけで
実際のところ、本当に弟たちに助けられて生きてます

みんなが仕事へ向かっていく中
俺は一人、いくつもの薬と格闘
俺、ほんと薬飲むの嫌いっていうか苦手なのに逃れられない服薬ね

桃「まぁたにらめっこしてる(笑)」
『しょうがねぇじゃん、無理なんだもん』
桃「蓮も昔は嫌がってたけどな～」
『うるせぇ！仕事しろぉぉ！』

両家の長男同士、歳も一緒
仲はいいけどちょっとしたことですぐ言い合いを始める俺と大介
だから、よく言われるよ
本当に長男？って

桃「残念！俺ね今日休みなの～！」

そういって、ソファーにドカッと座ってテレビを見だす大介
俺も仕事しなきゃ
透析行くまでに終わらせたいなぁ～
なんて思いながら自室に向かいお仕事開始…

パソコンとにらめっこしてると、朝感じていただるさが襲ってくる
ダメだって…透析前に体調悪くなるのだけはまじ勘弁
いったん仕事をやめて椅子に凭れて目を閉じる

『…ふぅ、、、きもちわるぃ…』

桃「辰哉～？お昼ご飯食べなーい？」

トン、トン、と階段を上がってくる音が聞こえる
すぐにコンコンとドアをノックされるけど動くのが億劫で
俺とか蓮から返事がないときは入って様子を見るって暗黙のルールみたいなのがあるんだと思う

入るよーと声がしてすぐにドアが開く

桃「辰哉？大丈夫？うわ、顔色悪っ…」
『…吐きそ』
桃「うぇぇ！えっ、トイレ？！ゴミ箱か…」

焦ってるように見えて実際はそうでもなくて
すぐにテキパキ動いてくれる大介
伊達に長男してるわけじゃないんだなってこういう時に実感するよね

優しく背中をさすってくれて段々落ち着いていく吐き気
もう大丈夫と伝えれば

桃「もう仕事辞めときな？この後病院なんでしょ？」
『…うん、そうする…』
桃「何時に行くの？俺、送ってくよ」
『ええ、いいよ…大丈夫』

なんかあんまり納得してなかったけど
大介のおなかがぐぅ～って鳴ってお昼ご飯を食べることにした
俺のご飯は全部涼太が作ってくれてて
冷蔵庫に置いといてくれるんだよね

前に大変じゃないの？って聞いたら
楽しいから気にしないでって言ってくれてさ…
こういうとこも一緒に住んでよかったなって思うんだよね

ご飯の後、結局大介が病院に送るって譲らないから
送ってもらうことにした

桃「いってら」
『うん、ありがと～』