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車を降りて公園の茂みを飛び越る。リョウタは後ろで自分を呼ぶショウタにも気付かず無我夢中だった。確信はなかったが、コウジらしき人が不自然に怯えた様子で後退る姿を目にした瞬間、何も考えずに飛び出してしまっていた。
「コウジ！」
そして自分の直感は間違っていなかったと、コウジの姿を見て確信できた。真っ青な顔で、目に涙を浮かべている癖に、リョウタへ笑ってみせた。
「リョウタくん…どないしたん？こんなとこで。」
「コウジが見えた気がしたから走ってきた。立てる？」
リョウタが腕を差し出しつつ近付けば、コウジは大きく身体を震わせた。
「す、すんません…俺…。」
ハッとしたようにリョウタへ謝るコウジを、リョウタは片手で制した。
「怖い思い、したんだね。無理しなくていい。」
「ごめん…ほんまに…」
泣き出しそうなコウジに、謝らせたい訳ではなかったリョウタだったが、ここは好きに泣かせてあげた方が得策だろうとそばにしゃがんで肩を優しく撫でた。
「リョウタ！コウジ！」
ちょうどショウタも駆けつけてくれたが、別れる前にはなかったはずの汚れが制服のあちこちについていた。
「どうしたんだよ、一体。」
しゃがんでなんとかコウジの目を見ようと俯くコウジの顔を覗きこもうとするショウタ。漸く顔を上げたコウジだったが、
「大丈夫や…大丈夫。」
と、あくまで何があったかは言うつもりがないらしい。拒絶ともとれる一言に、二人はぐちゃりと胸を握り潰されたような気持ちに陥った。
「にしてもこんな時間まで居残りやってたん？大変やなぁ…やっぱり教室とかも一個一個が俺の学校とは違うんやろうね！」
いつも通りを装っているが、強がっているのはバレバレだった、
「コウジ、ちゃんと教えて。何があったの？」
「や、やからなんもないって。」
「じゃあなんでそんな今にも泣きそうな顔してんだよ。」
ショウタらしい、いつもの言い方が今日のコウジにとっては強すぎた。ぐっと眉をしかめると、ショウタを睨みつけた。
「関係あらへんやろ。別に俺にまでそんな気つかって優しくせんでええから。」
そのまま荷物を掴んでコウジはその場を走り去った。リョウタとショウタは、最後と一言が想像以上に刺さってしばらく動けなかった。
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比呂(プロフ) - 初めてコメントいたします！ゆりこじが大好きなのでこの小説を見つけたときはすごく嬉しかったです！一気に読みました！�兇眛匹澆泙靴拭�これからも楽しみにしております！ (2021年5月20日 22時) (
レス) id: a496cb4725 (このIDを非表示/違反報告)
ろこ(プロフ) - ゆ〜さん» ゆ〜様 コメントありがとうございます。少しずつお話のテンポあげていきますので、楽しみにしていていただけると嬉しいです。 (2020年2月19日 0時) (レス) id: c2ca1181c3 (このIDを非表示/違反報告)
ゆ〜(プロフ) - 有閑倶楽部もスノも好きなのでこの作品に出会えて感動してます！笑 続き楽しみにしてます！！ (2020年2月18日 2時) (レス) id: 59480d1b07 (このIDを非表示/違反報告)
ろこ(プロフ) - 、さん» ご指摘下さりありがとうございます。確認が甘く不快な思いをさせてしまい申し訳ございません。 (2020年2月18日 1時) (レス) id: c2ca1181c3 (このIDを非表示/違反報告)
、 - オリジナルフラグ外て下さい。違反ですよ (2020年2月17日 16時) (レス) id: 5d9d69443a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ろこ | 作成日時：2020年2月13日 21時
