0 暇をもてあましたくないDKの日常 ページ2
ダイスケは走った。
かの邪智暴虐の王を許してなるものか。
心の底から沸き上がる怒りに身を任せ、
ありとあらゆる障害を超えて走り続ける。
彼は今、自ら果たすべき目的のことしか考えていない。
やがて見えてきた見慣れた焦げ茶色のドアのノブを壊す勢いでつかみ、走るスピードをゆるめないまま部屋に飛び込む。
「俺のプリン食べたの誰？！置いておいたのが消えてたんですけど！！！」
ドカーン！と派手な音をたてて開いた扉に負けないくらいの大声で叫んだ彼に、部屋の中にいる面々はそれぞれの反応をみせた。
「お前、ドアくらいゆっくり開けろよ！壊れるだろ！」
機嫌よく並べていたお気に入りの人形を倒してしまったヒカルは、ダイスケを睨み付けて怒鳴る。
「ドアより俺のプリンだよ！！」
負けじとダイスケは言い返し、たれ目を目一杯つり上げて全員を見回す。
「いまなら許してあげるから正直に答えろよ。ショータ？それともタツヤ？まさかヒカルじゃないよね？」
「いやいやいや、なんで俺まで候補に入ってるんだよ！」
憤慨しながらタツヤは目の前の盤を叩きながら立ち上がる。カッなったあまりか、加減が出来ておらず目の前で繰り広げられていたチェス盤が大きく揺れ、駒が散った。
カツーンと少し高い音を響かせてタツヤのキングが床に落ちて跳ねる。全員がしまった。という顔をしてタツヤの目の前に座る人物の方を見やる。
「やってくれるね、タツヤ…。」
俺は努めて笑顔で、タツヤを見つめつつ、努めて冷静に声をかけた。次の一手でチェックメイトだったのだ。こんなの許せるはずがない。
「わ、悪い…リョウヘイ！俺、全部覚えてるから、すぐ直すから…！」
タツヤは顔を真っ青にしてすぐさま散らばった駒を元の位置に戻していく。小さくため息をついて、ダイスケの方を見ると、先ほどの勢いはどこへやったのか、俺と目があった瞬間肩をびくつかせる。
「あ、あの…リョウちゃん…ごめんね？邪魔するつもりはなかったんだ…。」
「前々から言ってるよね？廊下は？」
「走らない」
「扉は？」
「ノックして静かにあける」
「大声は？」
「勝負事の時に出さない…。」
「分かってるならいいよ。犯人、見つかるといいね。」
素直に答えたダイスケに、微笑んでそう声をかけると、何度も頷いてヒカルの元へ静かに向かった。素直でかわいい。そう思いつつ盤上に視線を戻す。
「タツヤ？」
「はいっ！？」
「俺のナイト、ここじゃないよ？」
「ご、ごめん！」
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比呂(プロフ) - 初めてコメントいたします！ゆりこじが大好きなのでこの小説を見つけたときはすごく嬉しかったです！一気に読みました！�兇眛匹澆泙靴拭�これからも楽しみにしております！ (2021年5月20日 22時) (
レス) id: a496cb4725 (このIDを非表示/違反報告)
ろこ(プロフ) - ゆ〜さん» ゆ〜様 コメントありがとうございます。少しずつお話のテンポあげていきますので、楽しみにしていていただけると嬉しいです。 (2020年2月19日 0時) (レス) id: c2ca1181c3 (このIDを非表示/違反報告)
ゆ〜(プロフ) - 有閑倶楽部もスノも好きなのでこの作品に出会えて感動してます！笑 続き楽しみにしてます！！ (2020年2月18日 2時) (レス) id: 59480d1b07 (このIDを非表示/違反報告)
ろこ(プロフ) - 、さん» ご指摘下さりありがとうございます。確認が甘く不快な思いをさせてしまい申し訳ございません。 (2020年2月18日 1時) (レス) id: c2ca1181c3 (このIDを非表示/違反報告)
、 - オリジナルフラグ外て下さい。違反ですよ (2020年2月17日 16時) (レス) id: 5d9d69443a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ろこ | 作成日時：2020年2月13日 21時
