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「ジフニヒョンに、
Aは林檎のように熟れた顔をふいと横に向けて目線を合わせようとしない。余計にはっきり見えるようになった所有印がジニョンの目に鮮やかに焼き付く。Aは何も言わなかった。
「ね、何で、俺じゃないの」
「…ヌナに冷たいじゃん」
「冷たくなんか、してない」
まるでお互いの気持ちが分かっていない。鈍感すぎるAも問題であるし、感情表現が下手なジニョンの問題でもある。
「なんで、ジフニヒョンなの」
胸が痛い。怒気を含んだ表情と、Aを責める様な低い声が怖いと思った。可愛かったジニョンに初めて向けられた激しい怒りに声も出なかった。
「ねえヌナ、とか言ってよ。ここも、ここも。ジフニヒョンに付けられたんでしょ」
「ひっ、ぃやっ」
_____襲われても本望とか、私ばかかよ。怖いじゃん‼
細いのにごつごつと節だったジニョンの手が首筋の痕を擦る様になぞり、そのまま鎖骨を超えて下っていく。服の中にゆっくりとジニョンの手が侵入する。その手付きが今迄に遊んで来た男たちと同じに思えて粟だった。
「ヌナ、俺のこと好きなんじゃないの」
ウエストが晒されて、一番くっきりと残るキスマークがジニョンの目に映る。ジニョンは上書きするかの様にキスをする。チクリと痛みが走って新たに書き換えられた。
何でジニョンは彼女がいたのに、Aは駄目なんだ、とか。怖い、とか。怒ってる理由、とか。ぐちゃぐちゃになって涙が零れた。
一瞬ジニョンの手が止まったが、より一層不機嫌になって動作は乱雑になった。
「好きって言ってよ、ねえ、ヌナ」
強い力で手首を掴まれて抵抗できない。力も入らない。
頭がごちゃごちゃになってボロボロと気持ちが落ちていく。優しさも、慈しみも何も無い。目の前の男が、Aの体目当てに擦り寄ってくる男達と重なった。年齢も仕事も知らない彼らはAの体を無雑になぞるのだ。
我武者羅に気持ちを埋めていたときはそれで充分だった。けれど今は、知っている。穏やかで優しい手を覚えてしまった。
「ッジニョン、好き、だからっ、やめて」
服も下着も勢いよく捲られて、クーラーの冷気を確かに感じた。荒々しい口付けで塞がれて言葉を発することもできない。いつもの愛しい瞳でAを見つめる彼は、嫉妬に燃えていた。
あの温かな手が欲しい。静かに名前を呼ぶ彼がいい。
「やっ、ジフナぁ」
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こー - いえいえ!わざわざありがとうございます(涙)楽しみにしてました!読ませていただきますね! (2020年5月25日 0時) (
レス) id: 15c5b103b3 (このIDを非表示/違反報告)
FIX(プロフ) - こーさん» 遅れてしまい、大変申し訳ございませんでした。今日やっとお話あげたので、まだ気があれば是非読んで下さい。感想待ってます。 (2020年5月21日 10時) (レス) id: e6fb1d1801 (このIDを非表示/違反報告)
こー - お久しぶりです( ^_^ )投稿したお話って何日くらいしたら見れるんですかね?? (2020年5月20日 23時) (レス) id: 15c5b103b3 (このIDを非表示/違反報告)
FIX(プロフ) - こーさん» コメントとても嬉しいから大丈夫ですよ〜笑笑 ありがとうございます、地道に頑張ります。1日ほどお待ち下さい〜！ (2020年5月12日 1時) (レス) id: e6fb1d1801 (このIDを非表示/違反報告)
FIX(プロフ) - springさん» 会社の同期で話進めてるので、幼なじみ設定である人を出そうと思います〜。リクエスト送って下さったのにすみません、幼なじみのお話はまた別の機会か、並行で書かせて頂こうと思います。次作も何卒よろしくお願いします〜！ (2020年5月12日 1時) (レス) id: e6fb1d1801 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：FIX | 作成日時：2020年4月8日 11時
