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「今更だけどさ」
「なに」
「めっちゃ目立つよ、これ」
Aはそう言って自分の首元を示す。何度も同じ場所に繰り返されたせいでくっきりと痕は残り、見事に充血している。
ビデオ電話越しにまざまざと見せつけられたことで、自分が起こした行為を思い起こされてジフンは「うー」とも「あー」とも取れない不明瞭な呻き声を漏らした。
「…悪かったって」
「あ、や、まぁ…うん」
液晶の向こう側で大きな縫いぐるみに顔を埋めて謝るジフン。Aはあまりの可愛らしさに身悶えながら、何とか表立ってに出さないように堪えていた。
_____腹黒い男子高校生が縫いぐるみ好きってなに、ええ、しんどい。パクジフン可愛すぎる。やめて、可愛いの暴力しんどい。
2人して理由は別々だが、同時に変な呻き声を部屋に垂れ流している。なんて珍妙な光景だろうか。先に発作の治ったジフンは顔を上げて画面を見た。
先の自分と同様に何かを耐えているAを見て首を傾げた。しかし頬と耳まで真っ赤に染めて、最早恍惚の表情を浮かべるのは風呂上りなのも相まって相当に色っぽい。
腰にくるものを感じてジフンはまた己の浅ましさに呆れて周りの人形たちで守備を固めた。これならば爆発することもないだろう。との考えだ。それのせいで又Aにクリティカルヒットが入り暫くは真面な会話にならなかった。
「っあー、可愛いが過ぎる、無理…もう少し待って、今頭の中で聖書読んでる。邪念を必死に振り払ってる」
「何の邪念だよ」
「あー、あー、あー、…はい、おっけ、で、私は何すればいいの」
パタパタと手の平で風を送りながらAはやっと意識を正常に戻す。
「ジャージ置いて、ジニョン呼んで、渡したバーム塗っとけばいいよ」
「んでベベが嫉妬すれば当たりだから告ればいいと?」
「それで良いと思うけど」
「けど??」
含みのあるジフンの言い方に首を傾げる。中々言わないジフンに焦れてAが続きを促して催促する。
「あー、その、キスマのせいで、…夜戦、の可能性が、無くも無い」
「ああ、これ?確かにこれじゃジフニの物みたいだから、ね、…え、そうじゃん、完全にそうじゃん」
「あー!!あー!!」
「ジフニの独占欲強すぎみたいじゃん…え、恥っず」
「だから言いたくなかったんだよ!!」
「ソヌAはパクジフンのものです宣言しちゃってるよ、これ、……いや、待って、無理恥っず」
「やめろ、言うな」
「あー、顔あっつい…見ないでジフナ」
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こー - いえいえ!わざわざありがとうございます(涙)楽しみにしてました!読ませていただきますね! (2020年5月25日 0時) (レス) id: 15c5b103b3 (このIDを非表示/違反報告)
FIX(プロフ) - こーさん» 遅れてしまい、大変申し訳ございませんでした。今日やっとお話あげたので、まだ気があれば是非読んで下さい。感想待ってます。 (2020年5月21日 10時) (レス) id: e6fb1d1801 (このIDを非表示/違反報告)
こー - お久しぶりです( ^_^ )投稿したお話って何日くらいしたら見れるんですかね?? (2020年5月20日 23時) (レス) id: 15c5b103b3 (このIDを非表示/違反報告)
FIX(プロフ) - こーさん» コメントとても嬉しいから大丈夫ですよ〜笑笑 ありがとうございます、地道に頑張ります。1日ほどお待ち下さい〜! (2020年5月12日 1時) (レス) id: e6fb1d1801 (このIDを非表示/違反報告)
FIX(プロフ) - springさん» 会社の同期で話進めてるので、幼なじみ設定である人を出そうと思います〜。リクエスト送って下さったのにすみません、幼なじみのお話はまた別の機会か、並行で書かせて頂こうと思います。次作も何卒よろしくお願いします〜! (2020年5月12日 1時) (レス) id: e6fb1d1801 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:FIX | 作成日時:2020年4月8日 11時