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徒歩30分弱という曖昧な位置に住んでるから送らなくてもいいよ、Aはそう断ったがジフンは首を縦に振らなかった。
「ジフニの帰り遅くなるじゃん」
「いつものことだし」
「遊び人、なんでバレないんだよ」
「面識ある人は手を出さないのが常識だから」
制服は着ないでレッスン着のまま帰宅する。真夏は到来していないのにこの暑さは一体何なのだろうか。
先程あまりの蒸し暑さに音を上げたAはジフンに前髪諸共まとめてお団子にしてもらい幾分かは緩和されたものの抗いきることはできない。
「A、髪切れば」
「あんな反対したくせに」
「うるさい、だって見るだけでその長さ暑苦しいよ」
「凄く同感」
「切ってあげようか」
「そんなことまでできるの?」
「やったこともない」
「その提案なんでしたんだよ」
「出来ると思った」
「謎の自信。どっから湧いてくんのさ」
ジフンは歩幅を合わせてAのペースで歩く。そこがジフンのモテる所以である。それを理解した上でそれに甘えるのがモテる女の余裕である。(Aはモテないが)それを知った上でジフンの優しさに甘えている。
「課題終わった?ドイツ語のやつ」
「男性詞覚えきってない、ルール厳しすぎ」
「分かるー、去年それ苦戦したし」
「テストとか冗談だろ」
「王子は上位キーパーだよね」
「そういうお前はランカー。うざすぎ」
「コツがありまして。この後教えてあげよっか?」
「めちゃくちゃしゃくに触るんだけど」
成績優秀者のお手本のような2人である。課題の提出だけは欠かさないAと、世間体を気にして優等生をやるジフン。
オモニ出張なの忘れてたけど、今日誰もいないから夜更かし放題だよ、とAは言う。
_____こいつ完全に何も考えてないな。
ジフンがAに手を出すなど微塵も考えてない言い振りにジフンはゆっくり息を吐き出した。
歩くだけでたらりと垂れる汗を拭って道を進む。4分の3を過ぎたところでAの携帯に着信があった。
「はーい、Aでーす」
『A、今どこにいるの??』
「ベベ?え、家に帰る途中だけど」
ジニョンの名前を出した瞬間に必要もないのにジフンは気配を消した。その様子を見てAは苦笑する。
『ひとりなの?危ないよ』
「あー、大丈夫。心配しないで」
『でももう23時になるよ、俺迎えにいくから』
Aとジフンは顔を合わせて肩を竦めた。
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こー - いえいえ!わざわざありがとうございます(涙)楽しみにしてました!読ませていただきますね! (2020年5月25日 0時) (レス) id: 15c5b103b3 (このIDを非表示/違反報告)
FIX(プロフ) - こーさん» 遅れてしまい、大変申し訳ございませんでした。今日やっとお話あげたので、まだ気があれば是非読んで下さい。感想待ってます。 (2020年5月21日 10時) (レス) id: e6fb1d1801 (このIDを非表示/違反報告)
こー - お久しぶりです( ^_^ )投稿したお話って何日くらいしたら見れるんですかね?? (2020年5月20日 23時) (レス) id: 15c5b103b3 (このIDを非表示/違反報告)
FIX(プロフ) - こーさん» コメントとても嬉しいから大丈夫ですよ〜笑笑 ありがとうございます、地道に頑張ります。1日ほどお待ち下さい〜! (2020年5月12日 1時) (レス) id: e6fb1d1801 (このIDを非表示/違反報告)
FIX(プロフ) - springさん» 会社の同期で話進めてるので、幼なじみ設定である人を出そうと思います〜。リクエスト送って下さったのにすみません、幼なじみのお話はまた別の機会か、並行で書かせて頂こうと思います。次作も何卒よろしくお願いします〜! (2020年5月12日 1時) (レス) id: e6fb1d1801 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:FIX | 作成日時:2020年4月8日 11時