手前まで【skz】 (ページ4)

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Han2 ページ4

「…バディ組まされることも多かったし、居なくなったら寂しくなっちゃう

成績でジソナの他にライバルもいないし」

肩をすくめてAが言った

心臓がどきんと跳ねる

Aは窓の外を見ていて、その愁い気な表情からは何も読み取れない

『…うん、あ、そうなんだ。

まじ？Aは俺と離れて寂しいんだ？』

あははっと笑うけど、どうしていいのかわからない

寂しいよ、俺だって

離れたくない、Aが一緒に来てくれるならどんなにいいか

隣で笑ってくれたらどんなに幸せか

『俺も寂しい、離れたくないよ』

言いたいけど、言いたくない

Aが真っ直ぐに俺を見つめる

シャンパンが正常な判断を揺らがせる

だって、Aの瞳があまりにいじらしくて

友達以上の何かを秘めているみたいで

「寂しいに決まってるじゃない」

彼女の唇から零れ出た言葉に俺はしんでいまいそうになるんだ

『ストップ！！！！』

「え？」

きょとんとするA

俺はすうっと息を吸い込んで言った

『毎日ビデオ通話するし、一ヶ月に一回は会えるようにするし、目標たてて貯金して服買うのもちょっと我慢して、それで、

薔薇と指輪持ってくるからそれまで待って！！！！』

一息で言い切ってぜえぜえと落ち着いているとAがふっと吹き出す

眉をさげて笑う彼女はとんでもなく可愛くて

「…来年は私も成績一位目指すから

新居は、アメリカでいいかな？」

ここが大声厳禁の高級レストランで良かった

そうじゃないと俺はきっとおかしくなって、

思いっきり腹式呼吸で、

思いっきりの大声で

愛してるって言ってしまうだろうから