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「んだよ、それ!」
そう叫んだ俺に、藤ヶ谷は「あはっ」と小首を傾げている。
こいつ、悪いだなんて微塵も思っちゃいねぇな。
藤ヶ谷の話を纏めるとこうだった。
俺は2年前、藤ヶ谷に『お前が欲しい』と言った。
それは俺にとって『藤ヶ谷に抱かれたい』という意思表示だったのだが、藤ヶ谷は違う捉え方をした。
『お前が欲しい』=『お前の初めてが欲しい』
つまり、自分が受けなのか?とかなりの衝撃を受けたと言う。
「いや、受けが嫌とか、そういうんじゃなくてさ、その…、痛そうっていうか…。あー、でもね!俺はどちらかっていうと北山を啼かせたいわけで…、そうなると受けはやっぱり嫌っていうか…」
言い訳となると、やたら饒舌になる藤ヶ谷。
呆れて言葉も出てこねぇ。
とはいえ、デリケートな問題ではある。
きっと藤ヶ谷なりに思い悩んでいたのだろう。
そう思うと、文句は言えなかった。
それに、紛らわしい言い方をした俺にも非はある。
今更過ぎたことをどうこう言っても始まらない。
「もういいから。遠回りした分も、より愛してくれるっていうなら、許してやるよ」
「北山…」
再び、甘い甘ーいキスが降ってきた。
舌を絡め合う。
本当の意味で、一つになれたような気がした。
長いこと拗らせた両想いは、ここにようやく、実を結んだのだった。
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ニコたん(プロフ) - けっピーさん» けっピーさん、お久しぶりです!覚えてますよ〜♪リベンジと言っても選曲は別だし、相変わらずのおふざけです(笑)ダンスシーンでつまずくと思うんで、気長に待ってて貰えたら嬉しい(泣) (2017年7月4日 13時) (レス) id: 13a4780dce (このIDを非表示/違反報告)
けっピー(プロフ) - お久しぶりです。以前月夜〜にコメントしたことがあるのですが覚えていらっしゃいますでしょうか?ニコたんさんのFさんのバースデー話、そして大好きな月夜の攻防戦のリベンジということで読みながらワクワクしていました。多忙かと思われますが更新頑張ってください。 (2017年7月4日 0時) (レス) id: 9d59b79c1f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ニコたん | 作成日時:2017年6月27日 16時