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一旦唇を離すと、今度はせがむように唇を突きだした。
そこには、応えて欲しい、なんて淡い期待が込められていた。
後頭部に手が添えられた瞬間、胸が急速に高鳴った。
「北山…」
「ん、ふ…、んん…、ふぅ」
待っていたのは、甘いキスの応酬だった。
どれぐらいそうしていたのだろうか。
時間にして数分?いや、数十秒だったかもしれない。
それでも心は喜びに震えた。
だからか、思いが溢れた。
「もう2年だ。俺はなぁ、お前に抱かれることだけを、2年も夢見てんだ。なぁ、藤ヶ谷。頼む、抱いてくれよ…」
最後の方は、消え入りそうなほどにか細い声だった。
藤ヶ谷の胸に顔を埋める。
途端、藤ヶ谷の身体が不自然に強張ったのを感じた。
おそるおそる顔を上げる。
「あっ…、れ?え?ちょ、待っ、…え?」
しどろもどろになっている藤ヶ谷に、なんだ?と首を傾げる。
けれど…、なんとなく、なんとなーく、きな臭さを感じて懐疑的な視線を向けた。
「てめぇ、なに隠してやがる」
「えっと…」
えへ、と可愛いらしく小首を傾げてとぼけようとする藤ヶ谷に、ずいっ、と顔を突きだした。
「…ごめん、ね?」
「ごめんなんて言葉求めちゃいねぇんだよ」
さっさと吐け、と威圧すると、藤ヶ谷は渋々といった様子で口を開いた。
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ニコたん(プロフ) - けっピーさん» けっピーさん、お久しぶりです!覚えてますよ〜♪リベンジと言っても選曲は別だし、相変わらずのおふざけです(笑)ダンスシーンでつまずくと思うんで、気長に待ってて貰えたら嬉しい(泣) (2017年7月4日 13時) (レス) id: 13a4780dce (このIDを非表示/違反報告)
けっピー(プロフ) - お久しぶりです。以前月夜〜にコメントしたことがあるのですが覚えていらっしゃいますでしょうか?ニコたんさんのFさんのバースデー話、そして大好きな月夜の攻防戦のリベンジということで読みながらワクワクしていました。多忙かと思われますが更新頑張ってください。 (2017年7月4日 0時) (レス) id: 9d59b79c1f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ニコたん | 作成日時:2017年6月27日 16時