. ページ6
お店に着くとまだ中野は着いていなかった。
連絡しようとスマホを開いたところ、
「Aちゃん？」
『あ、今連絡しようとしてたところ。お疲れ様！』
「うん、ありがとう。」
「なんか、、いつもと雰囲気違うからびっくりした。」
『今日、なんもお仕事なかったからね。どう？かわいい？』
「うん、似合ってるよ」
そう言って頬を赤らめる彼を見て本当に愛おしく感じた。
それからはお酒を飲みながら、いつもと変わらない他愛の無い話をしていた。
この段階でまだ彼から告白されてないことは想定内だった。
夜はまだ長い。
「あ、そろそろ終電の時間だ。帰ろうか。」
私たちはいつも終電ギリギリの時間まで飲んで、一緒に駅まで走って終電に乗る。
駅の改札を通った時に、ホームから電車の到着メロディが聞こえてくる。
「やばい、走ろう！」
そう言って走り出す彼を見ながら私も走り始める。
ホームにたどり着くには階段を登らなければならない。
階段を駆け上がっていると、ストラップのついていないヒールが脱げて、階段を転がり落ちていく。
『やば、靴脱げた！』
「え？」
『先いって！終電出ちゃう！』
そう言って靴を拾いに行き、電車の発車する音を聞きながら
後ろを振り返る。
そこには、階段の手すりにもたれかかって、こっちを見下ろす中野がいた。
「走らないと終電逃すのわかってて、なんでそーゆー靴履くかな」
彼との間に沈黙が流れる
『わざとだよ？』
意味を理解した彼が顔を赤くする。
ゆっくりと階段を降りてきた彼が私の手を取って歩き始める。
「……どこか泊まる？」
『私は先に言葉で聞きたいかな…』
彼が深呼吸するように息をして、口を開く。
「Aちゃん、大好きだよ」
『やっと言ってくれた、、』
そう言って彼に抱きつくと、初めての温もりに涙が出そうになる。
『私も大好きだよ』
その夜は2人とも家に帰らずに、愛を重ね合った。
Fin.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 142人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ぱふぇ(プロフ) - え！ありがとうございます！！そもそもが名言すぎて、お話に落とし込むのが難しかったので、嬉しいです💖 (2月29日 22時) (
レス) id: 9055367193 (このIDを非表示/違反報告)
あんこ(プロフ) - 初めまして！NANA好きなのでNANAパロ嬉しかったです！✨終わり方も良くていいねさせてもらいました♡ (2月29日 21時) (レス) id: 262806c1af (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ぱふぇ | 作成日時：2024年2月23日 12時
