世界で1番:S.Sakamoto ページ3
一般人彼女×S.Sakamoto
「ほんまに可愛くないな」
ぼそっと聞こえた一言に動きを止める。
いつもの喧嘩の延長、本人からしたら何気ない一言だったであろうが、女の子の日と被っていた私は、その一言が引っ掛かった。
怒りと悲しみで匠伍を、冷めた目でじっと見つめることしか出来ない私に気がついた彼は、ピシリと固まった。
『…へえ。で？』
「いや、その」
『可愛くない彼女なんていらないね？』
そのまま立ち去ろうとすると、腕を掴まれた。
「すまん、間違えた」
『間違えて本音が漏れたって？』
「いや、ちが」
『ごめん、1人にして』
そういって彼の腕を振り解いて、スマホと財布だけ握りしめて家を出る。
逃げてきた自分に少し後悔しながらも、追いかけてこない匠伍に腹を立てる。
1人にしてとは言ったものの、追いかけて一言くらい謝ったらいいのにと思いながら、近くの公園のブランコに腰をかける。
彼の職業上、彼はとんでもなく可愛い女の子や極上の美人に会っているからこそ、一般人の取り柄のない私は毎日振られないかビクビクしているというのに。
せめて嫌われるようなことをしないようにしなきゃいけないのに、家を飛び出してきてしまった。
今度こそ振られるかもと嫌な予感がする。
自己嫌悪に陥っているとふっと目眩がして、ブランコを降り地面にうずくまる。
どうすることもできなくてそのままうずくまっていると
視界が真っ暗になる。
意識飛ばしたんだと他人事のように思っていたが、なんだか暖かい。
顔を上げると心配そうに見つめる匠伍がいた。
「大丈夫、じゃないよな。ほんまにすまん。体調悪いよな？」
心配そうに聞いてくれるのを見てなんだか安心して匠伍に飛びつく。
「おま、あぶないやろ」
『わたし、かわいくない？？』
そんなつもりは無かったけれど、自分の声が震えてるのに気づく。
匠伍抱きしめる力が強くなった。
「ほんまにごめん、Aが世界一かわいいって思ってるよ」
『一生言わないって約束してくれたら許す。』
自分でもちょろいと思うが私たちにはこのくらいが丁度いい。
手を繋いで2人で家に帰る。
空を見上げると綺麗な夕焼けが2人を見守っていた。
fin.
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ぱふぇ(プロフ) - え！ありがとうございます！！そもそもが名言すぎて、お話に落とし込むのが難しかったので、嬉しいです💖 (2月29日 22時) (
レス) id: 9055367193 (このIDを非表示/違反報告)
あんこ(プロフ) - 初めまして！NANA好きなのでNANAパロ嬉しかったです！✨終わり方も良くていいねさせてもらいました♡ (2月29日 21時) (レス) id: 262806c1af (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぱふぇ | 作成日時：2024年2月23日 12時
