狐 拾 っ た ら 懐 か れ た 。【宮侑/宮治】

じゅういっぴき ページ11

＊



治がコクリと頷く。

「これでしばらくはもつかな」


レジ袋の中身は治に任せてスーパーで買ってきてもらった食料×3人分。

治の燃費が些か心配だということで多めに買ってきてもらった。「おかわり二杯まで」という制約をつけた時の治の顔が悲壮すぎたので見なかったことにしておく。



「そういやお姉さんお腹空かへん？」

「空いてないからさっさと手動かして」


隙あらばサボろうとする侑を追いたて、



「やっぱり三杯･･････」

「成果報酬制にしてあげるからとりあえず二杯で我慢して」


しょぼくれる治を何とか奮い立たせたりして、



「全員で協力すればその分早く終わるから、ほらやるよ！！」


休日の午後はあっという間に過ぎ去ってしまったのである。




＊



彼らの宣言通り、日が暮れ辺りが暗くなり始めると二人が二匹に戻った。


「だから私と会った時狐の姿してたのね」

「人間の姿になれてたらお姉さんのことなんかハニートラップで5秒あればオトしとった」


狐の姿になった侑を掴まえて撫で回しているとさぞかし不満そうに彼は鼻を鳴らした。


「何その自信」

「オレ知っとるで、人間の女て壁に追い詰められんの好きなんやろ？」

「何その偏見」



やっぱり彼らは妙な知識ばかり頭の中に詰まっているらしい。

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