【無印イナイレ】最強少女と天才少年２【鬼道有人】 (ページ31)

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第７８話元チームメイトページ31

練習を終え、いつも通り帰宅する

｢おかえり｣のない生活にも、いつの間にか慣れてしまった

部屋着に着替えながら、静まり返るリビングを見渡す

(相変わらず広すぎるな、私一人には...)

家賃や電気代、食費などは全て影山が負担してくれていた

というか、そうして貰えないと生きて行けないのだが…

それにしても何故彼が私にそこまでしてくれるのかは、全く分からない

(感謝はしてるけど…

どうせ私も“駒”の一つなんだろうな…)

私は帝国との練習試合を思い出す

あの時の鬼道は...昔の穏やかな彼のはまるで別人だった

A ｢有人...どんどん分からなくなっていく...｣

ついそんな言葉を漏らした、その時...

ープルルル

めったに鳴らない電話が突然音を上げる

(誰だろ...)

不安に思いながらも、電話を取る

すると受話器の向こうから聞こえてきた声は、とても懐かしいものだった

？？｢もしもし、A？久しぶり｣

その声の主は、私の“元”チームメイトだった

突然の電話に慌てながら、何とか平静を保ち答える

A ｢う、うん...何かあった？｣

？？｢いや、A元気かなって...ちょっと気になってさ｣

A ｢私は大丈夫...皆は元気？｣

？？｢相変わらず、うるさいくらいさ｣

男っぽい口調の彼女の声は、昔の、私が知っている頃の彼女と何も変わらないままだ

A ｢そう...ならよかった｣

？？｢なぁ、A...アタシ達、また11人全員でサッカーできるよな…？｣

その質問に、私は少し間を開けてこう答える

A ｢...できる、絶対｣

“絶対”なんてないと、自分が一番分かっているのに…

私はハッキリとそう言っていた

？？｢...そっか、悪いな、急に電話して｣

A ｢ううん、大丈夫｣

その後少しだけ他愛のない話をして電話を切った

受話器を置き、小さくため息をつく

(私、何のためにサッカーなんて続けてるんだろ...)

私以外に誰もいない部屋は、気分が悪くなるくらいの静寂に包まれていた...